魔界入りした胡蝶の夢3(魔入間+魔d!) (ページ10)

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102.帰る場所ページ10

「さて、生徒会も大所帯になる……イルマ、選べ」

アメリ会長のその声にイルマくんが振り返る。

「研修は見事合格だ。魔具開発師団の再開を認めよう。だが、生徒会はお前を受け入れたい(・・・・・・)と思っている」

そうして会長は「残るか？」とイルマくんに問う。

「いいえ」

自分の意志を再確認するように彼の手に少し力が入ったのに気付く。

「生徒会では心身ともに凄く鍛えてもらいました。本当に貴重な体験ばかりで楽しかった。だからこそ、」

先程までこちらでアズくんやクララとハイタッチをしていたときには気付かなかったが、久々に感じる彼の気配には確実に前よりも強い芯が通っていた。

「生徒会の皆さんの野望に乗って流されてしまうんじゃなくて自分の野望を見つけるための活動がしたくなりました。それに……魔具研に帰って来る人もいるかもしれないから……」

会長が穏やかにゆっくりと目を伏せ微笑んだ。

「確かにお前はそっちの方が似合っているな」

先程シネルを鍛錬に運んでいった他の生徒会の先輩が帰ってきたことで、研修の終了と新会員を迎えた新体制発足の記念として集合写真を取ることになったらしい。今回の件での功労者として生徒会ではないがアズくん、クララ、私も写る事になった。

「居場所が多いと大変そうだね？」
「あまり後ろに下がるな」
『キマリス先輩とジョニー先輩？！おさ、押さないでください！！だって私そんな目立つ必要ないじゃないですか！』

こうしてそそくさとあまり目立たない後ろの方の位置をキープしようとして失敗したのだった。

……そういえば、前に押し出しされてつんのめりそうになったときに一瞬ジョニー先輩が言葉に詰まってたのは何か理由があったのだろうか？もしかしてあまりに体幹がよわよわだったからドン引かれたとか……？

と、まぁ紆余曲折あったがかくして、新体制の生徒会も無事発足したのだった。

＿＿

解散選挙後、祝杯だとばかりに中庭で普段以上の騒がしさで騒ぐ我々師団の悪魔達の姿が見える。こちらに気付いたようなので軽く手を振った。

「あー！シア居ったー！」
「シアさん解散選挙(タイマン)の前あたりからちょこちょこ居なかったよな？なんかあったん？」

と騒がしくその場に迎えられた。といってもワインを模したパーティジュースで素面じゃない団員には気付かれなかったらしいので、その声の主は主にシャオロンとロボロの二人だったが。

(文字数！！！！)