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98.あなた ページ6

『私は……まずは彼女がどんな悪魔だったのか知りたいです』

サリバン様の目が昔を懐かしむように閉じられる。

「……ライナはふわふわしてて掴み所がない、でも酷く優しい悪魔だったよ。先の戦争で孤独になった所を先代魔王に拾われて以来彼にベッタリでね。よくポロくんと喧嘩を……あ、でもあれライナ本人は喧嘩だと思ってなかったぽいしなぁ」
『ポロくん?』
「アムドゥスキアス・ポロ、君もきっと名前は知ってるでしょう?」
『え!?はい、元13冠のアムドゥスキアス様ですよね?魔歴だと演奏会(リサイタル)で有名な、』

先代魔王様との演奏で敵軍を666時間も引き止めた伝説みたいな話だ。ライナさんはそんなすごい悪魔と関わっていたのか……?

「そうそう、彼女があんまり先代魔王に可愛がられてるもんだからポロくんが妬いてちょっかいかけてたんだけど、ライナは遊んでくれる相手が増えたと思って寧ろ嬉しがってたっていうオチなんだけどね」
『肝が座っている……あ、じゃあライナさんも音楽が好きなんですか?』
「うん、先代と一緒に演奏したいからって譲らなくて楽器を与えてもらっていたよ……ライナはそれを宝物みたいにしていたのをよく覚えてる。その宝物さえ遺さず彼女は何処かに消えてしまったんだけど」
『楽器?宝物?……もしかして、これですか?』

小さくしてお守りのように持ち歩いているホルンを取り出し鍵を開ける。

「それはライナの……!屋敷を使う人が居なくなってからも一度も見つからなかったのに一体どこに……」
『倉庫で書物を探しているときに偶然見つけて……かなり強い認識阻害の魔法と家系能力でしか開けられない鍵が付いているようなので今まで見つからなかったんだと思います』
「そうか……君が……」

そう言うと少し考えるような素振りの後、サリバン様は何かを確信したように口を開いた。

「飽くまでもさっき話したのは僕が知っているライナについてで、プシュケー・ライナがどんな悪魔だったか見つけるのは君だよ。きっと」
『私、ですか?』
「そう、答えはきっと君の側にある」

今はまだわからないかもしれないけどね、と彼は静かに笑っていた。


______

(スキ魔)

「あ、マカロン美味しい?」
『……すいません、緊張であんまり味がわからなくて』
「ははは、正直だね!何個があるから持って帰る?」
『いいんですか?!いや、違、そうじゃなくて……悪いですよ流石に……』

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アスルル - はじめまして〜コメント失礼します。凄い…主人公の感じがほんわりしているようで、しっかり自分を持っているのが良いと思いました。がんばってくださいね。 (9月11日 7時) (レス) @page17 id: 6edaad17fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:郷音豆腐。 | 作成日時:2023年1月16日 15時

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