魔界入りした胡蝶の夢3(魔入間+魔d!) (ページ30)

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122.違えても変わっても4 ページ30

「大体そんな奴おったら俺がとっくにど突いとる……ぐほっ！！」
「トントン！！」
『トントンさん！！！』

見事なすてみタックルを受けたトントンがバランスを崩し、伸ばした手は届かずそのまま雪の被った地面へと墜落する。不幸中の幸いか、雪のお陰で落下ダメージはほとんど無かったようだが周りを怒りの形相のデビルポークが取り囲んでいた。

とんでくる後続の豚たちの体当たりを間一髪で避けるが、こちらも囲まれてしまったことで状況はプラスどころかマイナスに傾いていた。

(トンちゃんの親戚かもしれない子たちに攻撃をするわけにはいかない……)

のは重々わかっているがこのままだと無傷(ただ)では済まないのも事実だった。

「ま…待ってくれ！きみらと争うつもりはないんよ。俺はただトンを……大事な仲間を捜しに来ただけなんや」

低い威嚇の唸り声に囲まれながらトントンは必死にデビルポークたちに訴えかける。

「こんなところで道草食っとる場合やないねん！！だから頼む、道を開けてーー……！！」
『危ないっ……！！』

トントンに飛びかかろうとする豚たちに、ノーガードであの体当たりを複数回受けるのは流石にマズイと感じた体が先に動く。魔力の蝶の量を増やし、防壁を貼る為高度をギュッと落とそうとしたその瞬間、頭に飛び込んでくる情報に体が止まった。近付いてくるのは自分たち5人以外の、知ってる魔力の流れだった。

『……っ、』
「……え？」

その場に先の唸り声よりも低い鳴き声が圧を持って響いた。飛びかかろうとした豚たちの動きが止まった事、怒りの形相だった豚たちがオロオロと身を屈めた事、そして何よりその他の豚たちよりも一回り大きな威厳ある姿に驚く。現れたデビルポーク以外のものは誰も動けずにいる空間は、まさしくその場の時を止めてしまったようだった。

この、デビルポークは……

＿＿

先程追われながら必死に飛んでいた道を、先程現れたデビルポーク、基い、この里の主さんから話を聞きながら私達は引き返していた。

トントンは主さんの話を聞き「ええっ！？そんなことが！？」と驚愕する。しかし、先程静止をかけてくれたのが雰囲気でわかった程度で、私達は主さんの話している事がわからないのであった。

「トントンはなんで言葉通じてんねん…」
「同族だからちゃうか？」

知れるのならば事情を知っておきたいので結局はトントンに翻訳を頼むことになった。

＿＿

コラボカフェの衣装、"良"がすぎる。