魔界入りした胡蝶の夢3(魔入間+魔d!) (ページ28)

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120.違えても変わっても2 ページ28

「もしかして頭痛って俺を保健室まで無事出荷する為の方便(ウソ)だったりします？」
『いえ、めっちゃ痛いですけど。死ぬほどうるさい音が頭の周りでずっとガンガンなり続けてる感じの痛さです』
「救急車ァ！！！！」
『何でそんな原始的な方法で呼ぼうと思ったんですかそれ』

ほらとっとと処置受けてくださいよと半ば無理やり保健室に押し込み、自分もその時間は安静にすることを言い渡されたのであった。

変わった事があればなるべくすぐに相談。自分の使い魔の正体を知ったときにした約束であった。ついでに別件で少し相談したい事があった為私はバラム先生の元を訪れていた。

『……で、何でここに我々の悪魔(ひと)達が居るんですか？』
「シア！どうしてここに来てしまったんや！」
「トントンが食われる〜〜！！！」
「デビルポーク……

……がキミの使い魔の種族だね？」
『あー、状況把握できました。逃げないんでこの悪魔(ひと)たち離してもらっていいですか？バラム先生』

何やら紙を探し出す先生と勝手知ったる様子の私に目を白黒させる彼らが視界の端に見えた。

「デビルポークは寒冷地に住む豚の魔獣だ。種族が分かればある程度生息地は絞れてくる……待ってて今地図を描いてあげるからね」
「ありがとうございます！」

意外そうな顔でそのやり取りを見るシャオロン達を横目で見ていると、"この森のデビルポークたちは活きが良くて……"と微笑むバラム先生に表情がまた固くなるのがわかった。良い教師なんだけど偶に悪い癖出るんだよなこの悪魔(ひと)。

「よし描けた。キミの使い魔の住処は…

悪魔学校(バビルス)から北西へ翼で40分」
「けっこう近場やないかーーい！！」
「あれ俺昔ここ遠足で行ったことあるわ」
「しかも観光地！！」

それなら話は早い、すぐに出発して……とバラム先生に礼を言って出て行こうとするトントンを見ているとバラム先生に声をかけられ。

「シアさんも何か用事かな？」
『ああ、今日の使い魔授業で今までにない事が起きたんで報告をしようかと……わかった事も少なくて体調にも大きな影響は無かったので、詳しくはまた今度でもいいですか？』
「それは……彼らに着いて行くから？」
『……最近学校より北の方の治安が悪いらしいというか、不安定なので』
「そうか、心配なんだね。じゃあ尚更無理はしないように」

彼の使い魔の件と合わせてまた教えてほしいな、とバラム先生は送り出してくれた。