198時間目【番外編】1-1 ページ49
【あの子の声と】
※もしA組所属の状態で開始だったら
__という番外編
A side
死んだと思えば中学生になっていた。
物語じゃあるまいし、
正直今まで、ヒトの魂は
死んだら泡の様に消える物かと思っていた。
何やかんやで登校し、教室へ向かう。
場所は先刻、
校内案内の地図を見て把握した。
(席は何処だろうか)
もしもの事態になれば
体調不良のフリででも聞き出そう。
廊下を歩いて居ると、
後ろから肩をトントンと叩かれる。
振り返ると橙色の髪と
綺麗な紫色の瞳が特徴な生徒が立っていた。
学校へ来る途中で調べたら
どうやら此の学校の理事長の一人息子らしく
名が載っていた。
私はその名を口にする。
「おはよう、浅野」
私がそう云うと、浅野学秀も答えた。
彼の『声』が聞こえた瞬間
私は固まった。
「ああ、おはよう。織田さん」
「だ、ざい…?」
あまりにも瓜二つだったのだ。
自分の最期を看取ってくれた、
暗闇に迷える友人
__太宰治に。
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作者名:響輝 | 作成日時:2022年11月10日 0時