シルヴァ家次女は、もうひとりのおちこぼれ。【ブラクロ】 (ページ28)

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番外編ページ28

＿A side＿

合同の任務が終わり、ランギルスくんに送ってもらっていると
彼が聞いてきた。
　

「婚約者の存在について」。

　
確かに私も、あと数年もすれば、
結婚ができる年齢になる。
　

だが今のところそんな相手はいない。

そもそも、
つくらない方がいいのかもしれない。
　

私は幼い頃からずっと「おちこぼれ」と言われて
馬鹿にされてきたし、パーティーで虐められたこともあった。
　

特別気にしていたわけじゃないが、
それなりに最初は傷ついていた。
　

だけど

　

私には妹が居た。
　

属性は珍しくもなんともなく、
加えてきょうだいの中にすでにいる“水”で

コントロールも出来ない“出来損ない”で“おちこぼれ”の妹が。
　

私は何故か、
「護らなきゃ」と思った。

　

だから、いっぱい勉強した。
母親が亡くなった悲しみ何て、感じようとしなかった。
　

すでに、ほったらかしにされてた私を救ってくれた
ルノアを殺された後だったし、
「もうどうせ」と実際に思っていたからだ。

　

　

『…婚約者、ですか。
いきなりどうしたんですか？まさか、自分の許嫁の事を自慢したいんですか。
私は婚約者を作るつもりなどありませんよ。

どうせ、“政略結婚”なるものをさせられますし。
“愛情”など、私には“もう”必要ありませんから。』
　

ラン「…最近噂になってるけど？」

噂？

　

『どんな噂ですか？』

　

ラン「いや…。
自室に笑顔で男性を入れているとか。」

『えっと…。』
　

それ‥‥は。

　

『それ、多分違いますよ』
　

ラン「え？」
　

　

　
『それ、多分ノエルです。』
　

　

　

　

　

ラン「は？」
　

　