天国から君へ【すとぷり】【さとみ】

会いに来てくれて、ありがとう ページ16

Aside

『ふふ、プリン〜』

さ「うまい？」

『うん！』


さとみくんがプリンを持って会いに来てくれました。

プリン美味しい！さとみくんってホント、私のことよく見てるって言うか…


『そういえばね！さっきころちゃんが来てくれてたんだよ！』

さ「え、まじ？もうちょい早く来ればよかったな…」

『ふふ、やきもちですか？ｗ』

さ「俺が妬いちゃダメですかー？」

『なわけないじゃんｗｗ』


この一瞬一瞬を、胸を奥に、大切にしまう。

だって、私の命は持って数日。分かるもん。自分の体だから。

今だって、いつ、私は死んでもおかしくない。そんな体だから。

愛する人に最後に見せる顔は…笑顔がいい。

だから、いつも…笑顔で。


『ごちそーさま！ありがと！』

さ「いーえ？どういたしまして」

『大好き！』

さ「‥‥それは反則」


想いを…伝える。

言葉にしないと、伝わらない。

これからもずっとずっと愛してるから。


さ「あ、俺もう帰んねえと。生放送すんだ」

『そっか。気をつけて帰ってね。明日、放送の内容聞かせてよ！』

さ「もちろんだよ。じゃあな」


額に…キスを落として、ニコって笑って帰るさとみくんは…

カッコよすぎて、本当にずるい。

その後…深夜に私の容態は急に悪くなった。

ごめんね、さとみくん。ずっと一緒にいるって約束したのに…


遠くから、愛しい愛しい…あなたの声。

すぐ近くに寄ってきてくれてるってわかったけど…もう、手を動かすこともできないや。

必死に名前を呼んでくれてるんだよね。でも、もう耳を聞こえない。

目も、霞んで見えない。ごめんね。さとみくん。

頬にぽたっと暖かい何かが落ちてきた。

ああ、泣いちゃってるの？最後の力を振り絞って、人差し指で君の涙を拭う。

泣かないでよ。君には笑顔で居て欲しいんだからさ。


『やく…そ、く…守れなく…て、ごめんね。

　愛し、て…るよ…さと、みく…』


俺だって愛してる…そこまでは聞こえたのに。

もう君の声も聞こえない。じゃあせめて…まだ目が見えるから…。


『笑って。その笑顔が大好きなの』


そう言ったら‥‥笑ってくれた。

そのキラキラな笑顔が大好き。

お母さんに、もともと言ってたあのビデオレター…。

ちゃん渡してくれるかな。

迷惑にならないといいな…。





ずっとずっと…君のことが…だぁい好き。

たくさんの思い出をくれて、ありがとう。




君のこと…ずっと、

　 ―愛してる―

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