リアコの沼に落ちていく。 (ページ1)

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雪のリアコページ1

頬に当たる風が冷たくなってきた、11月。

お布団から出たくない。

でも、あと5分で、お布団から出なければ、彼をお目にかかる事ができない。

目を閉じ、ひとときの脳内妄想をし、布団から飛び出した。

寒さの完全防備をして、最後に、お気に入りの猫の刺繍が付いた、手袋を付けて、会社に向かう。

会社に入り口で、私は彼の姿を探す。

スーツ姿の彼の姿はまだ見えない。

深いため息を一つついて、エレベーターへと乗り込んだ。

私の仕事場は6階。手袋をしたまま、扉を閉めるボタンを押す。

「すみませーん！乗ります！！」

その声に慌てて、開くボタンを押す。

「すいません！ありがとうございます！」

飛び込んできたのは、姿を探した彼、深澤さん。

私が放心状態で、いると…

私を見て優しく微笑んだ後、「扉を閉めまーす！」
と、深澤さんの綺麗な指がボタンを押した。

そのまま、放心状態で、30秒くらいで、6階に着いた。

何人か同じフロアの人が降りていき、私は最後に降りた。

すると後ろから、

深「さっきは、ありがとう。」と優しい声で私を送り出してくれた。振り向いて、締まりかけたエレベーターの中で、また優しい笑顔の深澤さんの姿が見えた。

エレベーターの扉閉まり、そこでまた放心状態の私。

A「私、多分一生分の運使った。」とふとつぶやいてしまった。

「お前、朝から何ぼっーとしてんの。」

あっ！と我にかえると、真横に同じ部署の先輩の
渡辺先輩。

A「あっ！おはようございますw」

渡辺「朝から顔ゆるい。寒さで感覚おかしくなったか？まぁ、いいや、朝礼はじまるぞ。」

A「ゆるいって！なんですか？」

私は手袋を外して急いで朝礼に向かった。

それから、1日たぶんずっと顔はゆるかったと思う。