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03/愛しく憎い満月の日に ページ3



*




口元に鋭く光る牙を持ち、鋭く光る瞳を持つ少女は、まるで《吸血鬼》のよう。



少女は、その綺麗に鋭く光る瞳で月をじーっと見つめた。
まるで憎んでいるかのように、まるで愛しているかのように。



何を思いながら見ているのかなんてことは、少女以外には分からない。



「もうすぐ、《満月》の日か――。嫌だなぁ、本当に嫌だ。大っ嫌い。――なんて言っても消えないよねぇ…‥。いっそ壊しちゃうかな、なんてね」


《壊せないコトなんて私が誰よりも知ってるよ――》と少女は諦め半分に呟く。
その呟きが誰にも届かないコトを、少女は知っていたし、満月だって知っている。



「《私》に会う日も近付いてるって事だもんなぁ――、また何か言われるのかな、ヤダヤダ。でも、《約束》は破ってないから大丈夫だったらいいけどな……はぁ」

「―――また、ぼやかされちゃうのかな。あの時もあの時もその時もこの時もあんまり記憶に残ってないしなぁ。私、都合の悪いことは忘れちゃうのかな……それはそれでいい性格してるよね、私」



少女はくるり、と誰かに見せつける様にスカートのすそをつまんで回った。
誰も見ていないところで大胆になるのは全人類共通なのかもしれない。
真っ黒の暗闇のようなワンピースの裾がふんわりと揺れる。



(――あ、この気配。誰かこの部屋に来る。……誰だろう)



「む、むむむ。この気配は…‥、アヤト君、ライト君……。カナト君……。それとも、レイジ、……シュウ、は違うな。アイツは動かない。いやいやスバル君かな」



少女は何かの気配を読み取ったらしい、次々と名前を挙げていく。
その名前はどうやらここに住んでいる同居人の名前らしい。



さてさてこの予想は当たっているのか――…
というか全員の名前を言っている様だから予言の意味はない。




*

04/ドアの向こうの気配は→←02/月夜に照らされる少女



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角砂糖(プロフ) - 恵香さん» 本当ですかーっ!?ありがとうございますーっ!!更新頑張りますううううっ!!!コメントありがとうございますーっ!!!何よりの励みになります!!! (2016年5月29日 18時) (レス) id: 1a5848f332 (このIDを非表示/違反報告)
恵香(プロフ) - この作品とっても好きなので応援しています!!頑張ってください!!!ヾ(゚▽゚*)>フレー!!フレー!!<(*゚▽゚)ツ (2016年5月29日 18時) (レス) id: 885314e838 (このIDを非表示/違反報告)
恵香(プロフ) - 1がいいです! (2016年5月29日 18時) (レス) id: 885314e838 (このIDを非表示/違反報告)
みかん大好き(プロフ) - さとぅさん» これからも応援してます! (2016年5月28日 7時) (レス) id: d1b3892697 (このIDを非表示/違反報告)
さとぅ(プロフ) - みかん大好きさん» コメントありがとうございます! (2016年5月27日 22時) (レス) id: 1a5848f332 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さとぅ | 作者ホームページ:.。o○  
作成日時:2016年3月20日 18時

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