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深夜。
生徒達の愉快なレポートに夢中で目を通していると、気づいたらこんな時間になっていた。
『う…………んっ』
ググッと伸びをして息を吐く。
思わず欠伸がでて目が潤った。
『………もうこんな時間か』
椅子から腰を上げ、少し伸ばす。
コキコキっと腰から嫌な音がした。
『…………僕ももう若くない、か』
はぁ……と肩を落としながらシャツの上に鼠色のカーディガンを羽織る。
『さて、ハリーの様子を見に行きますかね』
きっと骨が再生する痛みでなかなか眠れていないだろう。
少しばかりのチョコをポケットに入れて部屋を出る。
ふと、窓の外から月明かりがさした。
『…………』
満月が近いのか、夜空に浮かぶ寂しそうな月が歪な形をしながら輝いている。
『………満月なんて』
"来なければ良いのに"
その言葉は口から出ることなく、空気として外に吐き出されていった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『………っ』
医務室への道を一人歩いていると、先日感じた異様な魔力を感じた。
『…………近い』
杖を取り出し魔力の方へ走る。
角を曲がり、バッと杖を構えた。
『………！
なっ！？』
廊下にはカメラを構えたまま固まり、倒れている男子生徒。
近くに寄って息を確かめる、が
『まるでミセス・ノリスみたいだ……。
石にされている』
その顔は恐怖に怯え、固く目は瞑られていた。
素早く守護霊を出し、校長に伝言を頼む。
どうやらこの男子生徒はグリフィンドール生らしく、寮監であるマクゴナガル先生にも伝言を頼んだ。
暫くするとバタバタと足音が聞こえ、校長とマクゴナガル先生が駆けつける。
「ま、まぁ！なんてことです！！」
「A、これは一体どう言うことじゃ？」
『襲われたんですよ、秘密の部屋の怪物に……。
ミセス・ノリスと同じく、石にされた様です』
命が奪われなくて良かったと心から安堵した。
校長とマクゴナガル先生は顔を見合せ、何かを考えたあと口を開いた
「とにかく、その生徒を医務室へ」
『わかりました』
抱えようと思ったが、石になった者を抱えれるほどの力が僕にはない。
仕方なしに魔法で浮かせて彼を運ぶ。
『………ハリーが起きていないと良いのだけれど』
フッと廊下が暗くなる。
歪な形をした月が、分厚い雲に隠されていた。
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わさび(プロフ) - 海月湊さん» 嬉しいコメントありがとうございます！そう言って頂けると励みになります！これからもよろしくお願い致します。 (2022年9月2日 21時) (
レス) id: 4f48927b1a (このIDを非表示/違反報告)
海月湊(プロフ) - とても面白かったです。私好みの、作品でした。続きを楽しみにしています。更新頑張って下さい。 (2022年9月2日 18時) (レス) @page20 id: 5a465236d8 (このIDを非表示/違反報告)
わさび(プロフ) - ぶどうさん» 応援のコメントとご指摘ありがとうございます！編集いたしました！これからもよろしくお願いします´`* (2022年8月27日 21時) (レス) id: 4f48927b1a (このIDを非表示/違反報告)
ぶどう - コメント失礼します。凄いスラスラ読めて、とても面白かったです。これからも応援してます！(細かい事ですが、マルフォイのファーストネームはドラコだと思います) (2022年8月27日 20時) (レス) id: 0aed378d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わさび | 作成日時：2022年8月23日 15時
