忍術学園の六年生には、女子がいる ８

絶対に取り戻すの段14 ページ29

喜八郎と藤内は、顔を見合わせると頷きあった


目の前にいる頭が切れ、攻撃もすごい仙蔵と勘右衛門相手にも二人は決して逃げる気配はない

むしろ、この瞬間が来た事に笑みを浮かべている



喜八郎「やっと来た…！」


藤内「綾部先輩、始めましょう！」


そう言うと、二人は今まで温存していた体力を使い素早い攻撃を仕掛けてくる


焙烙火矢を持った仙蔵だったが、喜八郎な焙烙火矢を飛ばされてしまった


藤内はずっと使わなかった大量の焙烙火矢を、勘右衛門に投げつける



目線を合わせた二人は、煙に紛れて最後の攻撃を仕掛ける


尾浜「嘘だろ⁈」


藤内「嘘じゃありません。焙烙火矢の煙には予習済みですから！」


喜八郎「大事な立花先輩だからこそ、本気で戦いました。この勝負は…僕達の勝ちです！」


藤内は焙烙火矢を投げつけ、後ずさりした勘右衛門を罠に落とし、喜八郎は踏子と蹴りを使って仙蔵を落とした


罠にはまり、身動きが出来なくなった二人を見た喜八郎と藤内は安心したように座り込む

藤内「良かった…これで、助けられるんだ！」



二対一で戦っている守一郎と作兵衛は、疲労が襲いかかりながらも様々な方法で留三郎に攻撃していた



体中が恐ろしく痛むが、そんな事は今の二人には全く気にならなかった



目の前に敵としている大事な先輩を取り戻す事だけが、守一郎と作兵衛の願いだ


そのためなら、体がどうであろうが気にしない



守一郎「食満先輩！もう終わりにしましょう！こんな戦いをするのは嫌なんです！」



食満「悪いが、無理な願いだ。命令なのだから」



作兵衛「そう言うと思ってましたよ！」



武器を持った作兵衛が一瞬の隙に飛びかかり、手に打ち付けた


手に響く激しい痛みに留三郎は、顔を歪める



守一郎「よくやった！作兵衛！」



作兵衛「はい！浜先輩、最後ですよ！」



守一郎「わかってる！思いっきりだ！」



拳に戻って来て欲しいと願いを込め、留三郎の体に殴りつける



地面へ倒れた文次郎を息を荒げだ、守一郎と作兵衛が縛り付けると、その場に倒れ込んだ



守一郎「やった…！成功！」



作兵衛「もう…心配は大丈夫ですね…。食満先輩。」



目を瞑る留三郎にそう語りかけたのだった

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