絶対に取り戻すの段6 ページ21
空が茜色になってくる
Aは、明日に備えて体術の練習を少し早めに終わらせた
他学年が長屋へ帰るのを見届けると、Aの体は一年生長屋へと向かっていた
『失礼するよ。…泣いてるのか?』
しんべえ「ひぐっ、A先輩…」
伝七「怖いんです…先輩達が、このまま戻って来なかったら…」
孫次郎「僕達は…仲間同士で傷つけ合うなんてしたくないんです…」
一部屋に集まった一年生全員は、敵となった先輩達への不安などから涙を零していた
その様子にAは胸が痛むのを感じたが、「大丈夫だ」と安心させてあげられる事は出来ない
もし、其れで万が一の事があった時に一年生達は更に傷つくだろうから
『怖いよな…。私だって怖いし、悲しい。しかし、此れは避けられない状況なんだ。』
乱太郎「わかって…ます!」
『冷たい言い方かも知れないが、私達忍者は味方であった者達と戦う事は必ずあるんだ。その時に傷つけたくないなどの気持ちは…消さなくてはいけない!』
きり丸「でも、仲間なんですよ!大切な!…気持ちを消せなんて…出来ませんよ…」
『本当に…そうだよな。でも、戦うのだから全力で戦う。私達は他にも守らなくてはいけない事もあるんだ…、どうか此れだけはわかってくれ!』
Aは、唇を噛み締めながら悲しそうな表情で告げた
一年生も涙を拭い取ると、まだ心にある先輩達への気持ちをしまい込むとAに向き直った
庄左衛門「A先輩。僕達も全力を尽くします!」
一平「だから、先輩達も全力で戦ってください!」
伏木蔵「ちゃんと、作戦もありますから…」
笑顔だが、悲しみを堪える一年生の姿にAは固く頷いた
すると、服の中から何かを取り出すと一年生に差し出した
兵太夫「何ですかこれ?」
『これを使って五、六年生を誘い込んで欲しいんだ。』
Aが取り出したのは、小さめの縦長の木箱に鈴が入ったものだ
作戦によると、Aが合図を出したらこの道具を森の中の出来るだけ中心地に投げて欲しいという
『中心地に五、六年生を誘導させるための道具なんだ。これを一年生にお願いしたい。』
団蔵「任せてください!」
『頼んだぞ。』
そう言ったAは、一年生の長屋を出ると自分の部屋へと戻った
何時もであれば騒がしい六年生長屋だが、今日はAの足音など以外の音は無かった
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satochan0101(プロフ) - アクヤさん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年8月11日 11時) (レス) id: 6c2642fcb1 (このIDを非表示/違反報告)
アクヤ - 頑張って下さい(*>v<*) (2019年8月11日 9時) (レス) id: 64d635022a (このIDを非表示/違反報告)
satochan0101(プロフ) - 桃華さん» 本日は、晩御飯を食べ終わってから更新します!沢山かはわかりませんが、出来るだけ多く更新出来るようにします! (2019年7月18日 20時) (レス) id: 6c2642fcb1 (このIDを非表示/違反報告)
桃華 - 今日は沢山更新なさるのですか? (2019年7月18日 19時) (レス) id: 5dc20f7650 (このIDを非表示/違反報告)
satochan0101(プロフ) - 桃華さん» お楽しみに!先程、続編に続きを更新しました! (2019年7月18日 18時) (レス) id: 6c2642fcb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:satochan0101 | 作成日時:2019年6月24日 17時