忍術学園の六年生には、女子がいる １０

１日先生の段４ ページ35

『う、うん。Aお姉さん…じゃなくてA先生でおじゃる。』



「「「「おじゃる？」」」」


八方斎「おい、おじゃるとは何だ？」


雨鬼「何かの口癖なのでは？」




目をパチクリさせるドクタケ達がAを見ると、力が抜けたように項垂れていた



おじゃると言うつもりは無かったのだが、あまりにも緊張してしまい、おじゃると付け足してしまったようだ




『(落ち着け、落ち着け！ユニークな先生を演じて誤魔化そう。)』



頭の中で自分に言い聞かせたAは、咳払いを一つすると柔らかな笑みを浮かべる



『実は妾、平安時代の貴族の生まれ変わりなのじゃ。』



しぶ鬼「本当に⁈」



『ごめん。うっそ。』



いぶ鬼「なんだ〜、あり得そうだから信じちゃったよ！」



やまぶ鬼「Aお姉さんは凄い美人だから、本当にそうだったりして！」



ふぶ鬼「お姫様のAさんも見てみたい！」



キラキラした目を向けてくるドクたまにAは頰が緩みかけている



なんて純粋な子達なのだど心の中で叫ぶA



しかし、我に帰ると授業を全く行なっていないことに気づいた




『授業しなくては！それでは、授業を始めます！』



やまぶ鬼「Aお姉さん！緊張しないで、いつも通りで大丈夫だよ！」




いろんな先生になりきろうとしているAにドクたまは気付いていたのか、こっそりと小声で伝えてくれた



胸がゆっくりと温まるのを感じたAは、笑顔で授業を始めだした





『えっと、最近皆さんが緩いと魔界之小路先生からお聞きしました。』



雲鬼「バレてたのか…」



『緩みを改善するべく、今日一日は私の特別授業を行います。』



そう言ってAが取り出した大きな紙には、一日の授業内容がびっしりと書かれていた



習ったことの無い授業があるのか、ドクたまは嬉しそうだが、ドクタケ忍者達は顔を引きつらせている




こっそりと雷鬼が教室を出ようとしたが、何かに手首を掴まれてしまった




『逃がしませんよ？』



悪魔のような笑みのAが木を操って雷鬼の脱出を阻止していた




雷鬼「後ろ向いていたのに⁈」



『気配と音で気づきますから。』




ふぶ鬼「かっこいいー！」

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