融ける弾丸【文豪ストレイドッグス】

飴玉が9つ ページ11

何の因果かか知らないが自分の運が不幸の方に振り切れている自覚は勿論あるし、実際両親が健在のそのときから顕著だった。
…例えば、ちょっとアレなヤバめの女の人に好かれたりだとか、彼女に3股掛けられてたとか、あなたの子よって言われた赤ん坊が赤の他人の子供だったりした。やる事はやってたけど、俺は結婚する予定も無い人に対してそんな無責任な事をするほど腐ってもない。…多分。
自分で判断のしようがないので、この辺が曖昧なのはどうか許して欲しいが、まあ大人としての男としてのモラルは守っている、と思っていただけたら有難い。

今改めて考えると女性関係に傾きすぎていた気もするけど…まあ気にするもの苦いのでやめる。本当に結婚を前提に付き合ってた人が凄い…何股もかける人だった時はショックだった。本当に愛していたからショックで2日寝込んだ。でも2日で完治した。

まあそれなり人気はあるし、俺は自分の顔の良さを自覚してるクソ野郎なので男友達はわんさかいた。なんかもう不幸すぎて逆に同情されてた。悲しいよな。これ。

俺、もっと純粋な友達欲しかった。
純粋な友達が居たのならば今の俺達はここまで孤立してなかったし、誰かに頼ることもできたろうに。まあそんなのを今更嘆いたってどうにもなんないのが運命だけどね。あは。

取り敢えず玄関口に盛り塩しとくわ。
悪霊とかそっち方面まで来たら俺の許容量ほとんど無いのに死ぬから駄目。駄目だ、悪霊よ、手前は来んな。手前がきたら俺しんじゃうの。
あ、でもお母さんとお父さんなら何時でもウェルカムだぜ。仏壇経由で帰っておいで。今年も胡瓜の馬作っとくからな。いや、新幹線にするか？

まあそれは兎も角、自分の運の悪さに碧を巻き込んだ感が否めないので俺、頑張ります。めっちゃ頑張る。碧のためならお兄ちゃん殴られても男の尊厳というかなんか踏み躙られてもにこにこしとく。だから、碧は死なないで。お前が死んだら、俺はもう無理だから。生きていけない、とかそういう問題じゃなくて、もうむりだから。

でも、全部終わったらおれはしぬんだけど。
お前がどんなに俺の「生」を願っても俺は死ぬ。それはどんな時でも揺るがすつもりも無いし、揺るがせない。揺らいだ時点でそれはもう俺ではない何かだ。だから殺してくれても一向に構わないし、むしろそうして欲しい所である。

死にたいよ、物凄く。でも、それと同じくらい碧には幸せになって欲しいんだよね。我儘かなぁ。でも、それくらいはどうか許して欲しいな。

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