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「...、.ぅと、るぅと君!!!!!」
強く肩を揺すられて、うっすらと目を覚ます。
気づけば寝ていたらしい。床から起き上がって、頭を振る。
「あーやっと起きた。昔から変わらないよね、寝始めたらなかなか起きないところ」
呆れた風に目の前の人が肩をすくめた。
...誰？
「え、...誰、ですか？」
相手はポカンと口を開けて、それから怒ったように眉根を寄せる。
「うわ〜最低！中学まで一緒だった幼馴染みの顔忘れるとか、失礼極まりない!!!」
そこまで言われて、やっと記憶と目の前の顔が一致した。
「あぁ〜...Aですか。突然来られてビックリしただけですけど？」
本当に覚えてるんだか、とA肩をすくめた。
Aは僕が中学卒業まで住んでいたド田舎、家の隣に居た幼馴染み。
年は彼女の方が一歳下なのだが...敬語は出会ったときからはずされている。
中学卒業を期に東京に出た僕は、それ以来Aと会っていなかった。
「るぅと君が東京に出るときさ、"また会いに行く"って言ってたくせに!!嘘つきるぅと〜。ラインもろくに反応しないし」
「ごめんごめん、僕も忙しかったんですよ」
事実、すとぷりの仕事で日々編集やら収録やらであまり田舎に帰っていなかった。
...まぁ、そんな忙しくも鮮やかな日々が、わりと好きだったんですけどね。
それより、気になることがある。
「なんで僕の家にいるんですか？」
「ドアなら開いてました〜。ここ田舎じゃないんだから、ちゃんと戸締まりしなきゃ駄目じゃん!!知らない人が勝手に入ってきちゃうよ!?」
あの日、完全に意気消沈した僕に鍵を閉める心の余地などなかった。
いやそれよりも。
「なんで僕の家知ってるんですか？」
もしかして、ネット上で僕の家が晒されているのだろうか。だとしたらヤバい状況、いやそれ以上の状況だ。
「それならおばちゃんに聞いたよ、すぐ教えてくれた」
...一度母の僕の個人情報の取り扱い方を指導しておかないといけないようだ。
不満げにAの顔が曇る。
「...なんですか？」
「だからー、」
腕を組んで、いたずらっぽく笑った。
「何でここにきたか、知りたくないの？」
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作者名：りせ. | 作成日時：2024年3月28日 20時
