君に捧ぐ声と歌。【黄】【stpr】 (ページ1)

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＜？sibe＞

【大人気歌い手グループ・すとぷりが新曲を発表】

そんな題名のネットニュースを見つけた。

何となくタップして開く。

笑顔で笑う六人のイラストとYoutubeへのリンク、そして数行の文があった。

【今回の曲は、初恋の心苦しさや甘酸っぱさが繊細に描かれた感動恋愛ソング。作詞作曲はメンバーの一人・るぅとが手掛けた。るぅとは「僕の歌詞をみんなが形にしてくれるんです」と嬉しそうに語った。メンバーのみんなは「この曲はイチオシ。一刻も早くみんなに聴いてほしい」とコメントしている。】

リンクからYoutubeへ飛び、イヤホンを装着した。

ニュースにあったように、疾走感溢れ、時に切なく甘い、青春ソングだった。

コメント欄を開いて、読み進めていく。

【るぅとくんの曲ってすごく素敵!!!】

【るぅと君声きれい～】

【作詞作曲はるぅちゃんしか勝たん】

【初見ですが、歌詞に惹かれて好きになりました!!!】

暖かいコメントが続き、こちらの心までポカポカしてくる。

しかし、どんなに自分が素敵だと思おうと、万人に好かれるものなどないのだ。

【るぅと歌下手じゃね?w】

【プロの方々に作曲作詞頼めやw】

【正直毎回思うけど、歌詞が胡散臭い】

【寝言ならぬ、綺麗事は寝てからいえ!!】

そんな、誰かを傷つけるために綴った黒い言葉の固まりは、

やがて鋭く削られ、研がれ、相手に致命傷を負わせるような、黒い武器になる。

画面の奥でうごめく黒い固まりに吐き気を感じて、スマホの電源を落とした。