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第一章 ページ2

カ「ラルト様ぁ〜?

お父様がお呼びですよ、出てきてくださいませ!!」


執事のカミッシュが、この国の皇太子である男の名を呼ぶ。


そこにある男が声をかけた。

ハ「またですか、カミッシュ殿」

カ「またどころの話ではございませんよ、一刻も早く探し出さねば私が叱られます!」

ハ「ははは、でも貴方も皇太子さまのやんちゃ振りは幼少時代から分かっておられたはずでは?」

無精ひげを撫でながら、果物屋のハイルは優しく笑う。

カ「だから困っているのではないのですか!

見つけたら必ず!必ず私に報告願いますよ!!」


どすどすと足音を立てながら、カミッシュは市場の方へ消えていった。


ハ「…念を押されたのですが、どうしましょう。」


くるりと振り向いて、果物の配達用籠に目を落とす。


すると、ごそごそという音がして、銀髪の少年がひょこっと頭を出した。


ラ「いーっていーって!

カミッシュのことは気にしなくて。いつもあぁなんだからさ。

父さんのお小言も聴き飽きたし。」

ハ「相変わらずですね…。

でも、毎日お変わりないようで安心します。

ラルト様が来ると、市場が明るくなりますから。」

ラ「だろー?

…ってまぁ、大したことはしてねぇけどな。

あ、後ハルト。」

急に神妙になった顔に、ハルトは一瞬たじろいだ。

ハ「な、何でしょう…。」


ラ「…一つ言いたいことがある。


――この果物はなんていうんだ!?」

手に持ったオレンジ色のいびつな球体。

ほっ、と肩から力が抜ける。

ハ「確かそれはミカンと呼ばれるものだったかと。

また例のあそこに大量に落ちてたらしいですから、取り寄せてもらったんです。」

ラ「…あの場所ねぇ…。」

そう一言呟いて、ラルトはミカンを一つ貪った。

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黒兎(プロフ) - ポケモンサン楽しいれす(^p^)@暖ゴロさん» ありがとうございます!頑張ります!! (2016年12月26日 22時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)
ポケモンサン楽しいれす(^p^)@暖ゴロ(プロフ) - 面白くなりそうな予感! (2016年12月23日 0時) (レス) id: 4f259d5ac7 (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - 夜久夜恵さん» お、ならよかった!あんがと!! (2016年12月22日 21時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)
夜久夜恵(プロフ) - !?!?!?!?!?!?!?!?!?気になる!!!!!!! (2016年12月22日 21時) (レス) id: c3e219345d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒兎 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2016年12月22日 1時

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