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第六章 ページ7

キッチンの裏で、何故か彼を目で追ってしまう。

…何これ、恋する女子高生みたいじゃない。

初対面なんでしょ、しっかりしないと、私!


自分と葛藤しながら、しばらくはキッチンから出られなくって。


あー、もう鹿立くんの馬鹿!

意識してるときにあんな笑い方されたら、きゅんってきちゃうじゃん!!

鹿「店長、お会計〜!」

そんな私を気にせず、向こう側から鹿立くんが私を呼んだ。

『は、はいっ!』

…モテてる鹿立くんには分からない話なんだろうな、これは。



――片想いしたまま時間が経過して、その恋が報われないものになるなんて話は。


そう、分かる筈がないんだ。


『お待たせしました、お会計ですn』

相手を見た瞬間、私は硬直。

一「えっと、1時間とパフェとコーヒー代…。」

例の紫の彼。

ばくんばくんと心臓がうるさい。

顔に出てなきゃいいけど…。

一「…ねぇ。」

『は、はいっ!』

彼の声で慌てて我に返る。

一「…ホントに無理してない?」

『大丈夫です!

えっと、お名前を』

一「……え?」

きょとんとした彼の顔。

違う違う!

何言っちゃってんの私!?

幾ら意識しちゃったからって、この間違いはないでしょ!

『す、すみません、お会計を!

合計2500円になります。』

一「…ん。」

千円札が3枚来たので500円を彼に渡す。

『ありがとうございます、またのご来店w』


一「…あんたの名前は?」

『は、はいっ!?』

一「…さっき名前聞いてきたじゃん。

名乗るのはそっちからでしょ。」

『え、あ、さ、桜城です。

桜城 A。』

一「へー、桜城さん…。いい名前してるじゃん。」

いい名前、その言葉にも心臓の音が反応する。

『わ、私は名乗りましたよ?』

一「あぁ、そーだね…。

俺は松野 一松。

覚えなくてもいい、…といいたいけど覚えてくれると嬉しい、かも…。」

そっ、と視線をそらされる。

その姿に、

『お、覚えておきます!』

一「…は?」

『絶対覚えておきますから!』

懸命に言う私の想いが伝わったのか、彼は「ひひっ」と笑って、

一「そりゃどーも…。

……また来る。」

『はいっ!』

ひらりと踵を返し、店から出ていく彼。

彼が見えなくなってから私はキッチンに直行。

顔を隠し、ずるずると床にしゃがみ込む。




あぁ、私、…彼が好きだ。

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黒兎(プロフ) - 夏宮星歌さん» 私もグラデ推しですかね……。あの色気がたまりませんっ (2017年4月15日 21時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)
夏宮星歌 - ぽわんぽわんさん共感ありがとうございます! (2017年3月18日 23時) (レス) id: c7b934967b (このIDを非表示/違反報告)
夏宮星歌 - 黒兎さんの推しは誰ですか?私は全松好きですが特にグラデ松です! (2017年3月18日 23時) (レス) id: c7b934967b (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - ぽわんぽわんさん» ありがとうございます!次回作でもイケメンになるように頑張ります!(●´ω`●) (2017年3月5日 16時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - 夏宮星歌さん» いっ、イケメンになってましたか!私の一松くんフィルターはそんな感じにかかってるので……。妄想ぶち込んだ甲斐がありましたww (2017年3月5日 16時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒兎 x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/  
作成日時:2016年12月20日 21時

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