検索窓
今日:14 hit、昨日:0 hit、合計:87,525 hit

第三十七話 ページ39

『出来たよー、クリームパスタっ!』

ほかほかと湯気をあげるパスタの器をいっくんの目の前に置くと、彼は目を輝かせた。

一「……食べて、いいの。」

『勿論!』

言いながら、自分のお皿を持って彼の隣に座る。

いっくんは、震える手でフォークを握った。

くるくると器用な手つきで麺を絡み取る。


一「……。」

『ど、どうかな……?』


顔を覗き込んでも彼の表情は変わらない。

それが少しの期待と心配をうむ。

どきどきと大きくなる心臓の音。

いっくんの喉が、こくりと鳴った。





一「……、あのさぁ。

また惚れさせてどうすんの…。」


『えっ。

惚れさせて、っていっくん、結局どういうこt』

一「そのままだよ、このまま死んでもいいぐらい美味いよ!!」

顔を真っ赤にしながら、そう言うとパスタをかき込み始める。


死んでもいいぐらい、っていっくん。


『そっちこそ、そういうの言うのずるいって……。』

彼の熱が伝染したように、私は身体中が熱くなっていくのを感じていた。


――
一「……ごちそうさま。」

『はいはい。

あ、お皿持ってくよ?』

一「これだけ世話になってて何もしないとか、クズに磨きかかるでしょ…。

まぁいいけど。

皿洗いぐらいやる……。」


私と自分のお皿を重ね、流し台へと持って行ってくれる。


……もし、結婚したらこんな感じなんだろうか、なんて甘い妄想。


一松くんが旦那さんだったら、


こんな風に遊びに行って、ご飯作って、お風呂沸かして……。




……お風呂。

そういえば、一緒に入る約束しちゃったような……。



恥じらいの波が押し寄せる中、私は水の流れる音の聞こえる流し台に向かって声を発した。



『い、いっくん……。』

一「……ごめん、あんまりよく聞こえない。」

『その、




お風呂とか、どうする……?』

一「え、……あ。」


次の瞬間、がちゃがちゃーんっ!と食器を落としたような音が聞こえた。

第三十八章→←第三十六話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (92 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
133人がお気に入り
設定タグ:おそ松さん , 一松
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

黒兎(プロフ) - 夏宮星歌さん» 私もグラデ推しですかね……。あの色気がたまりませんっ (2017年4月15日 21時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)
夏宮星歌 - ぽわんぽわんさん共感ありがとうございます! (2017年3月18日 23時) (レス) id: c7b934967b (このIDを非表示/違反報告)
夏宮星歌 - 黒兎さんの推しは誰ですか?私は全松好きですが特にグラデ松です! (2017年3月18日 23時) (レス) id: c7b934967b (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - ぽわんぽわんさん» ありがとうございます!次回作でもイケメンになるように頑張ります!(●´ω`●) (2017年3月5日 16時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - 夏宮星歌さん» いっ、イケメンになってましたか!私の一松くんフィルターはそんな感じにかかってるので……。妄想ぶち込んだ甲斐がありましたww (2017年3月5日 16時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:黒兎 x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/  
作成日時:2016年12月20日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。