第三十六話 ページ38
一松side
『え、えっと……、そ、そんな大した所じゃないけど……。』
そこそこ大きなアパート。
照れながら、彼女はアパートの一室のドアノブを回した。
一「……おぉ。」
思わず声をあげてしまい、俺はごくりと喉をならした。
こっ、ここが女子の家…っ!!!
『何、硬直してるの?』
一「あ、いや…。」
『寒いんだし、入ろ?』
俺を見やった彼女は、ふわりとにこやかに笑った。
――
白で統一された綺麗な部屋。
勢いで言ったはいいものの、俺の心臓はばくばくと音を立てていた。
『いっくん、夜ご飯パスタでいい?』
一「Aが出してくれるものならゴミでも。」
『流石にゴミは出さないよ……。』
苦笑しながらコートを脱ぎ、彼女は腕まくりした。
細い腕のラインに、むらっとする。
『好きにテレビとか見てていいから、待ってて!』
一「……ん。」
ぱたぱたとスリッパを鳴らしながら、彼女はキッチンに消えていく。
…今のうちに連絡でもしとくか。
俺はポケットからスマホを取り出すと、兄弟のLINEグループを開いた。
[今日は帰ってこないから]とだけ、送っておく。
一「…これでいいでしょ。」
そう呟いたとき。
ぴこんっ
一「……あ。」
ぴこん、ぴこん、ぴこんっ
お[はぁ!?お前だけずりーよ!!]
ト[一松兄さん、僕らを裏切る気!?]
カ[hotなnightを過ごすんだぜ、いちまぁつ…?]
十[兄さんセクロス!?]
チ[え、ちょっと待って、え、えぇ!?]
……なにこの通知ラッシュ。
それでも絶えることなく通知の音はなり続ける。
一「……ほんっと、うるせぇ。」
俺はぶつりとスマホの電源を落とした。
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黒兎(プロフ) - 夏宮星歌さん» 私もグラデ推しですかね……。あの色気がたまりませんっ (2017年4月15日 21時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)
夏宮星歌 - ぽわんぽわんさん共感ありがとうございます! (2017年3月18日 23時) (レス) id: c7b934967b (このIDを非表示/違反報告)
夏宮星歌 - 黒兎さんの推しは誰ですか?私は全松好きですが特にグラデ松です! (2017年3月18日 23時) (レス) id: c7b934967b (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - ぽわんぽわんさん» ありがとうございます!次回作でもイケメンになるように頑張ります!(●´ω`●) (2017年3月5日 16時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - 夏宮星歌さん» いっ、イケメンになってましたか!私の一松くんフィルターはそんな感じにかかってるので……。妄想ぶち込んだ甲斐がありましたww (2017年3月5日 16時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒兎 x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/
作成日時:2016年12月20日 21時