検索窓
今日:12 hit、昨日:0 hit、合計:87,523 hit

第二十八話 ページ29

一松side

…冷たい。

俺は、ゆっくりと目を開けた。


『あぁ、起こしちゃった?』


…そうか、俺はさっきぶっ倒れ、て。


がばっ、と勢いよく起き上がる。

ずるりと額の上の濡れタオルが落ちた。

『ダメだって、無理しちゃ!!』

慌ててAが布団に戻るよう促した。

『一松、さっき凄い量の鼻血出してぶっ倒れたんだよ?

だから、他の松野さんには先に銭湯行くように言ったから。』

心配そうに俺を見る、俺だけの女神さま。

うーわ…、なんてことやってんの、俺。

『今日はもう、このまま寝よ?』

こてん、と首をかしげる姿に、また鼻血が出そうになる。


一「…ごめん。」

『ん?』


一「……俺がヘタレでゴメン、っていう話。

折角A、いいって言ってくれたのに……。」

布団を顔の下まで引き寄せる。

最悪だ、本当に。


『大丈夫だよ。』

一「……!?」

『あれはいきなりだったし。

私も怒ってないよ?』

一「…ホントに。」

顔色を窺うようにして、聞くと彼女は小さく苦笑して見せた。

『でも…、ちょっと残念だったかも。』

その姿に、きゅうっと心臓が疼いた。


膝の上に置かれた彼女の手を取って、手の甲に触れるだけのキスをする。


一「……風呂なら、今からでも。お嬢さん。」

『今日はダメ。

今度、私の家に呼ぶからその時に、ね?



……後、どうせキスしてもらうなら手の甲より口がいい。』

悪戯に笑う君が、心から愛おしいんだ。

だから、絶対に離さないから。


一「……お安い御用。」

起き上がった俺は、そっと彼女を引き寄せた。

第二十九話→←第二十七話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (92 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
133人がお気に入り
設定タグ:おそ松さん , 一松
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

黒兎(プロフ) - 夏宮星歌さん» 私もグラデ推しですかね……。あの色気がたまりませんっ (2017年4月15日 21時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)
夏宮星歌 - ぽわんぽわんさん共感ありがとうございます! (2017年3月18日 23時) (レス) id: c7b934967b (このIDを非表示/違反報告)
夏宮星歌 - 黒兎さんの推しは誰ですか?私は全松好きですが特にグラデ松です! (2017年3月18日 23時) (レス) id: c7b934967b (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - ぽわんぽわんさん» ありがとうございます!次回作でもイケメンになるように頑張ります!(●´ω`●) (2017年3月5日 16時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - 夏宮星歌さん» いっ、イケメンになってましたか!私の一松くんフィルターはそんな感じにかかってるので……。妄想ぶち込んだ甲斐がありましたww (2017年3月5日 16時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:黒兎 x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/  
作成日時:2016年12月20日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。