第十章 ページ11
一松side
…まさか、二日も連続で来ることになろうとは。
今の俺は、トッティコーディネートにより洒落た格好にさせられている。
ト「うーん…白シャツに紫のVネックセーター…、まぁ、パーカーよりはいいかな。」
一「…こんな格好しなくてもよかったのに。
デートじゃあるまいし。靴までそろえてさ…。」
ト「ダーメ!
折角好きな子に会えるっていうのに、好印象持ってもらわずどーすんの!!」
好きな子、そう言われたら言葉に詰まるしかない。
ト「ほら、行くよ!」
一「…変な目で見られないよな?
昨日も来たのにまた来やがったこいつとか、パーカーだったくせに何おしゃれしてんだよとか…。」
ト「考えすぎ!
じゃあいいの?行かなくて。」
一「…行く。」
か細い声でそう言うと、「よし」とトド松は頷いた。
――
『い、いらっしゃいませ!』
よく響く彼女の声。
びくん、と背中が跳ね上がる。
『あ、今日はお二人なんですね。』
一「え、あ、お、俺の弟…。」
ト「こんにちは、Aちゃん♪
兄さんから名前は聞いてるよ〜。
僕は松野 トド松!
よろしくね!」
うーわ、コミュ障の前でそういうのマジで出してきやがった、嫌味かよ。
『そうなんですか!
よろしくお願いします、一松さんにトド松さん!』
ト「くん、でいいって。
ねぇ、兄さん?」
トド松がにっこりと微笑みかける。
「ここで言わないと、後悔するよ?」と言わんばかりに。
一「…別に、言いたければ呼び捨てでも…。
……後、敬語堅苦しいからいらない。」
『ほ、ホントですか!?
…じゃなかった、いいの?』
ト「兄さんがいいって言ってるんだからいいと思うよ〜。」
『分かった!
一松にトド松くん、ゆっくりしていってね!』
どくんっ。
それからパタパタとキッチンへと駆けていく彼女。
ト「一松にトド松君、だって。」
一「…それは別にお前が呼び捨てでもいい、って言わなかったからだろ。」
ト「…どうだかね?」
ニヤニヤと面白がるように笑う弟に何か言えるほど、今の俺は冷静ではなく、
一「…どうでもいいから早く座ろ。」と言うのが精いっぱいだった。
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黒兎(プロフ) - 夏宮星歌さん» 私もグラデ推しですかね……。あの色気がたまりませんっ (2017年4月15日 21時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)
夏宮星歌 - ぽわんぽわんさん共感ありがとうございます! (2017年3月18日 23時) (レス) id: c7b934967b (このIDを非表示/違反報告)
夏宮星歌 - 黒兎さんの推しは誰ですか?私は全松好きですが特にグラデ松です! (2017年3月18日 23時) (レス) id: c7b934967b (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - ぽわんぽわんさん» ありがとうございます!次回作でもイケメンになるように頑張ります!(●´ω`●) (2017年3月5日 16時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - 夏宮星歌さん» いっ、イケメンになってましたか!私の一松くんフィルターはそんな感じにかかってるので……。妄想ぶち込んだ甲斐がありましたww (2017年3月5日 16時) (レス) id: 2172f3f018 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒兎 x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/
作成日時:2016年12月20日 21時