幸せを君に２

お弁当 ページ25

北山さんのリクエストで作った生姜焼き。
オーバーすぎるくらいのリアクションで喜んでくれる北山さんに嬉しくなる。
口いっぱいにお肉を頬張って幸せそうに食べる北山さんを見ていると、私まで幸せな気持ちになれそうだ。

おかわりを焼いてもずっと美味しい美味しいと言って食べてくれる北山さん。
これからご飯を作らせてもらえることになったし、たくさんおいしいものを作って食べてもらいたいなと思った。


Ki「あのさ、生姜焼き、俺がおかわりしたので全部？」


「いえ、まだ少しありますよ？」


Ki「あの…お願いがあるんだけど…」


そう言ってちょっと言いにくそうに言葉を続ける北山さん。


Ki「明日、朝早いんだけど、朝飯用に弁当作ってほしいなー…なんて…」


「お弁当ですか？」


Ki「あ、いやっ…やっぱいい！朝ほんとに早いしゆっくり寝てて！！」


「お弁当、作らせて下さい。」


Ki「ほんとにいいの？明日俺五時半に家でなきゃだよ？」


「大丈夫です。あの…さっき確認されてましたけど、生姜焼き、入れますか？朝のお弁当ならちょっと重いですか？」


Ki「明日は一日がかりで外ロケなんだ。だから朝からしっかり食っておきたいし、Aちゃんの生姜焼き食べたらいつも以上に頑張れそうだから入れてほしい！！」


そう言って本当に嬉しそうに、目をキラキラさせている北山さんはキッチンへ行ってごそごそと戸棚を漁り、あったあったと戻ってくる。


Ki「弁当箱、これでお願いします！」


そう言って北山さんに渡されたのは高校生男子が使ってそうな一段で大きめの銀色のシンプルなお弁当箱だった。
朝から本当にしっかり食べるんだなと思いながらも受け取り、頭の中でお弁当の中身を考え始めた。


お弁当の中身を考えながら夕食の片付けをしようとすると北山さんも席を立つ。



Ki「作ってもらったんだし、片付けくらい俺がやるよ。」


「いえ、私にさせてください。」


Ki「じゃあ手伝わせて。」


そう言ってくれた北山さん。
結局、二人並んで私が食器を洗い、北山さんが拭くということになった。

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