幸せを君に２

店員さんの頼み事 ページ35

藤ヶ谷さんはいろんな服を鏡の前で合わせながら見て、その中からいくつか気に入ったものを持って試着室へ入って行った。


F「俺の買い物に付き合わせてごめんね？」


試着室から声をかけてくれる藤ヶ谷さん。


「気にしないでください。楽しいです。」


F「ほんと？ありがとね。」


試着室のカーテンが開いて、着替えた藤ヶ谷さんにどうかな？と聞かれる。


「藤ヶ谷さんかっこいいから何でも似合っちゃいますね。」


F「何か照れるんだけど…じゃあもう一着だけ。」


そう言ってまた試着室のカーテンを閉める藤ヶ谷さん。
試着室の前で待っていると店員さんに話しかけられてしまった。


店員「こんにちは。太輔と来た子だよね？」


「え、あ…はい。」


店員「あ、そうだ。ねぇねぇねぇ、ちょっとお願いしたいことがあるんだけど…」


「え…？」


店員「これ、着てみてくれないかな？」


そう言って店員さんに渡されたのはシャンパンゴールドのワンピースドレス。


店員「俺の彼女にサプライズでプレゼントしたいんだけどさ、サイズ感見てみたくて…」


F「おい、何勝手にしゃべってんの？」


試着室のカーテンが開いて藤ヶ谷さんが店員さんにそう言う。


店員「お、今日も決まってんな！」


F「そんなこと言ってごまかしてんのバレバレだけど？」


店員「…頼める人いなくってさー。」


F「はぁ…ほんとお前は自由だな。普通店員がそんなこと頼んでくる店ねーぞ？」


店員「俺だって誰にでもいうわけじゃねーよ？」


F「Aちゃん、ほんと申し訳ないけど、こいつの頼み、聞いてやってもらえるかな？」


「良いですよ、私で良いのなら…」


店員「ほんっとありがとう！！」


すっごく感謝されてその勢いに圧倒されながらもドレスを受け取り、藤ヶ谷さんの隣の試着室に入った。

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