幸せを君に２

決定事項 ページ28

中断していた服の片付けを進めていると、ドアがノックされた。


Ki「Aちゃん、開けていい？」


「はい、大丈夫です。」


そっと扉を開けて北山さんがひょこっと顔を出す。



Ki「藤ヶ谷との予定決まった？」


「はい、お言葉に甘えて夜ごはんまでお出かけさせていただきます。」


Ki「ん。楽しんでおいでね。」


「ありがとうございます。」


Ki「俺、そろそろ寝ようと思って…」


「あ、じゃあ私も…」


Ki「ん、いこ。」



北山さんはそう言って私を呼ぶ。
同じベッドで寝させてもらったあの日から、毎日同じベッドで寝させてもらっている。
北山さんにはゆっくり休んでほしいから、私はソファーで大丈夫ですと何度言ってもそれはダメ、と却下され、結局一緒に寝るという流れが三日続き、三日目にはもうこれから一緒のベッドで寝るの決まりね、なんて言われてしまってそれからは一緒に寝ている。
北山さんがゆっくり休めているのかどうかは気になるけど、北山さんが決めてしまったことなので何も言わないことにした。


北山さんは必ず私を壁側に寝かせてくれて、自分はベッドの端に寄って眠る。
でも起きると必ず私は北山さんに抱きしめられている。

私の寝相の問題なのか、北山さんの寝相の問題なのか…

最初は戸惑ってどうしようって焦っていたけど、少しずつ戸惑いよりも安心感の方が強くなってきて、とても落ち着く。

北山さんの暖かい体温に包まれるととっても心地よくて、ずっとここにいたいって思ってしまう。


それに北山さんの寝起きの少しかすれた甘い声でおはようと言ってもらえるととても幸せな気持ちになれる。


お兄ちゃんがいたらこんな感じなのかな？
なんて時々思う。




北山さんは寝つきが良いみたいでいつも私より先に眠る。
今日も、男の人だとは思えないかわいらしい寝顔で気持ちよさそうに眠っている。


私はそんなに寝つきが良い方じゃないから、北山さんに作るお弁当のことを考えながらゆっくりと夢の世界へ落ちて行った。

朝から生姜焼き＊北山Side→←藤ヶ谷さんとの約束

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