消えない傷 ページ44
龍「お前は俺のものだ。それがわからないみたいだから思い出させてやんねーとなぁ?」
そう言った龍は次の瞬間、激しい痛みが私を襲った。
「あぁっ……!!!」
龍「思い出してきたか?」
「やめ…て…」
龍「まだわからねーのか?」
「いやぁっ…!!!!!」
痛い
熱い
激しい痛みは何度も繰り返された。
私はもう泣き叫ぶことしか出来なかった。
絶望
その言葉だけが頭に浮かぶ。
目に見える、消えない傷が増やされていく。
しばらくして、完全にぐったりしてしまった私を見て、龍は満足そうに笑った。
龍「やっとあの頃のお前の目になったな?これからも俺が可愛がってやるから、もう逃げようなんて思うなよ?次逃げたら…どうなるかわかるよな?」
逃げたらコロス。
龍の目はそう言っていた。
そしてその後、私は龍に抱かれた。
乱暴に、龍の欲のままに。
身体を叩かれ、首を絞められ、苦痛でしかないその時間はどれくらい続いたのか。
龍が満足してこの部屋を出て行った時には、時間の感覚もわからなくなるほどに私は憔悴しきっていた。
次の日も、その次の日も。
龍は私を抱いた。
煙草を押し付けられるということはなかったが、暴力を振るわれるのは毎日のことだった。
食事は与えられたり、与えられなかったり。
おかげで少し痩せた気がする。
最近やっと龍の一日の生活サイクルがわかって来た。
朝起きて私の首輪のロープが緩んでいないかを確認した後、出かけていく。
帰ってくるのは日が暮れてから。
おそらく仕事に出かけているのだと思う。
帰ってきたら私がいるかを確認し、別の部屋でしばらく過ごす。
おそらくこの間にご飯を済ませたり、お風呂に入ったりしている。
そして寝る前には私を抱く。
私が繋がれている部屋には時計がないし、カレンダーもない。
カーテンも閉められたままだがその隙間からの光で朝だとか、日が沈んだとかいうことを感じる。
そんな毎日。
心も身体もボロボロだった。
少し前に酔っぱらって帰って来た龍が私のスマホを私の目の前で壊した。
もともと龍の手元にあったわけだし、それで助けが呼べるとか、そんなこと考えてもいなかったけど、いざ壊されてしまったスマホを目の当たりにすると絶望のどん底のさらにどん底へ突き落されたような気分になった。
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ナナ - ヒロインさんが逃げて助けられたのが本当に良かったです。 (2019年4月18日 12時) (レス) id: 2f50dbd382 (このIDを非表示/違反報告)
4It5g(プロフ) - ありがとうございます!!楽しみにしています!!!! (2019年4月17日 7時) (レス) id: ca5fd267e4 (このIDを非表示/違反報告)
柊李(プロフ) - 4It5gさん» ありがとうございます。少しですがアップしました。明日も更新する予定ですので楽しみにしていてくださると嬉しいです。 (2019年4月17日 0時) (レス) id: 61b50e5ecf (このIDを非表示/違反報告)
4It5g(プロフ) - 続きが早く読みたいですー!!!!いつもわくわくしながら読んでます。 (2019年4月12日 18時) (レス) id: ca5fd267e4 (このIDを非表示/違反報告)
柊李(プロフ) - ナナさん» コメントありがとうございます!励みになります!展開はある程度決めているので楽しみにしていてくださいね!!出来るだけ早く物語を進めるように努めます。 (2019年4月3日 16時) (レス) id: 9e2e057872 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊李 | 作成日時:2019年2月1日 1時