守りたい*北山Side ページ33
気を失ってしまったAちゃんを俺はぎゅっと抱きしめた。
この小さな身体でどんな過去を背負っているのか…
ソファーに寝かせて、先ほど頼んだデザートをキャンセルしてもらい、会計を済ます。
お店の人に事情を軽く伝えて車を店の前につけさせてもらってからAちゃんを抱き上げて車へ。
後部座席に寝かせて自分のコートを布団代わりにかける。
そのまま安全運転で車を動かし、俺は今、自分家の駐車場で悩んでいる。
車を動かし始めてAちゃんの家に向かったが、一度行ったことがあるからといって勝手に家に入ることになるのはいかがなものかと考え、とりあえず俺の家まで来たは良いが、勝手に部屋に連れ込むというのもいかがなものか。
どっちが正解だ?
どっちの家にしろ、このままAちゃんを放ってはおけないのだから、目を覚ますまでは傍にいるつもりだ。
Aちゃんの家の方が良いのか、俺の家で良いのか。
かれこれ十分は悩んでいる。
後部座席を振り返り、俺は決心した。
Ki「よっ…と。やっぱ軽いな…」
そんなことをつぶやきながら慎重にAちゃんをベッドに寝かせ、風をひかないようにあごギリギリまで布団をかける。
そして自分はそのベッドの隣に座る。
この子を守りたい。
そう思いながら俺はAちゃんの頭を撫でていた。
「…ん…ぅ…」
意識が戻ったのか少し苦しそうな表情で少し声を漏らしたAちゃん。
どうして良いかわからずにいるとゆっくりと目を開けた。
「き…たやま…さん…?」
Ki「Aちゃん…良かった、意識が戻ったんだね。」
俺はそう言いながらまたAちゃんの頭を撫でる。
「わたし…」
Ki「大丈夫だよ。何も心配しなくていいから…今日はこのまま寝ちゃいな?俺はあっちの部屋にいるからね。」
少し戸惑っているのはわかったが、このままゆっくり眠ってほしいと思って俺は出来る限り優しくそう言った。
そして目が覚めた時に俺がいたらびっくりさせると思い、せめて別の部屋にいようと思った。
「や…いかないで…」
そう言って俺の服の裾を弱い力でつかむAちゃん。
今度は俺が戸惑う番だった。
Ki「え…と…」
「いっしょに…いて…」
寝起きの、そんな甘い声で甘えられたら、男は誰だって言うことを聞いてしまうだろう。
そう思いながら俺はゆっくりとAちゃんの隣に入り、そっと抱きしめる。
今夜は眠れそうにない。
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ナナ - ヒロインさんが逃げて助けられたのが本当に良かったです。 (2019年4月18日 12時) (レス) id: 2f50dbd382 (このIDを非表示/違反報告)
4It5g(プロフ) - ありがとうございます!!楽しみにしています!!!! (2019年4月17日 7時) (レス) id: ca5fd267e4 (このIDを非表示/違反報告)
柊李(プロフ) - 4It5gさん» ありがとうございます。少しですがアップしました。明日も更新する予定ですので楽しみにしていてくださると嬉しいです。 (2019年4月17日 0時) (レス) id: 61b50e5ecf (このIDを非表示/違反報告)
4It5g(プロフ) - 続きが早く読みたいですー!!!!いつもわくわくしながら読んでます。 (2019年4月12日 18時) (レス) id: ca5fd267e4 (このIDを非表示/違反報告)
柊李(プロフ) - ナナさん» コメントありがとうございます!励みになります!展開はある程度決めているので楽しみにしていてくださいね!!出来るだけ早く物語を進めるように努めます。 (2019年4月3日 16時) (レス) id: 9e2e057872 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊李 | 作成日時:2019年2月1日 1時