幸せを君に

収録 ページ11

そのあと収録が始まった。
キスマイのみなさんが一日飼育員としてモルモットとふれあうという内容だったので、楓先輩が説明をして、キスマイのみなさんがそれをやってみる、という感じで進んだ。

モルモットとふれあうキスマイのみなさんを見ていると、子どものようにはしゃいだり、モルモットを追いかけてこけそうになり、大笑いをしていたりと本当に楽しそうにされていた。

その姿はさすがジャニーズと思うほどキラキラしていて、私は作業がない時はカメラに映らないようにカメラの後ろでその様子を見ていた。

時々、カメラに目線を合わせる藤ヶ谷さんに自分が見られているような感覚になり、絶対に目線が合わないように、しばらく下を向いていた。


無事、収録が終わり、テレビ局の方やキスマイのみなさんが帰って行った。


楓「まさか裕太が来るとは…」


片づけをしながらそういう楓先輩。


「私、楓先輩の幼馴染さんのこと、勝手に女性だと思ってました。」


楓「Aは男が苦手だから、様子見て、紹介できそうになったら男なんだけどって言う話をしようと思ってたんだ。」


「でも納得してしまいました。おしゃれなレストランたくさん知ってそうだなって。」


私がそういうと、芸能人だからね、と楓先輩は笑っていた。

片付けも終わり、帰る用意をして家路につく。

明日は休み。
私の仕事は基本的に週休二日制。
動物園自体の休園日が月に二回あるが、その他の休みは交代制というか、不定期だ。
明日は休園日だからみんな休みで、私はラッキーなことにその次の日も休みになっていたので稀にある連休。
いつもなら何をして過ごそうかと考えてウキウキしたりもするが、今日はそんな気分にはなれなかった。

家に帰ると夢を思い出してしまい、気分は落ち込む。
日中我慢し続けていた吐き気もひどくなり、夜ごはんさえ食べる気になれず、ただただぼーっとソファーに座っていた。

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