逃げられない ページ1
こわい…
こわい…
逃げなきゃ…
助けて…
殺される…
死にたくないよ…
誰か…
ピピピピピピピピ―
「ゆめ…か…」
あの人から逃げてきてもう4年も経つのに…
忘れられない恐怖。
今でも時々こうして夢を見る。
私は永遠にあの人の呪縛からは逃れられないと思う。
震えている手をグッと握りしめてベッドから出る。
顔を洗っても鏡に映る自分の顔色は悪い。
癒されたい…
早く動物園に行って小さなふわふわ達とふれあいたい。
化粧もそこそこに朝ごはんも食べずに玄関を出た。
秋のさわやかな空気が少しだけ気持ちを軽くしてくれる。
動物園について飼育員の制服である作業着に着替えたら早速ふわふわ達のところへ。
「かわいい…」
ブースに入るとたくさんのふわふわが…モルモットたちが次々に寄って来る。
「いつもありがとね…」
元気がない私を励ますようにモルモットたちは愛らしい表情で私を囲む。
楓「A、おはよ!!」
「楓先輩…おはようございます。」
楓「もしかしてまたあの夢を見たの?」
モルモットを抱き上げながら心配そうにそう言ってくれる楓先輩はこの動物園の飼育員の中でも一番の美人さん。そして私の過去を知っている唯一の人。
朝、いつもより早い時間に私が出勤するときは大体あの夢を見たときだからいつも心配してくれる。
「はい…でも大丈夫です。」
楓「そう…大丈夫ならいいけど…無理しちゃだめだからね?」
「ありがとうございます。」
楓先輩と世間話をしながら開園前の準備をしていると、園長と広報部の方に声をかけられた。
広報部の方の話によると、今度テレビ番組に協力をお願いされたので、ふれあいコーナーで対応してほしいということだった。
かわいいモルモットたちがテレビで全国に知ってもらえるのは嬉しいけど、番組で来るタレントがジャニーズだという。
男性恐怖症の私はそこだけが気になっていた。
いくらきれいな顔をしていても男性。
うまく対応できるかな…
普段は極力男性の対応をしなくてもいいように、楓先輩がフォローしてくれる。
しかしテレビとなれば、対応せざるを得ない状況になってしまうかもしれない。
迷惑をかけてしまったり、失礼な態度だと思われたりしてしまうかもしれない。
それが不安でしょうがない。
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ナナ - ヒロインさんが逃げて助けられたのが本当に良かったです。 (2019年4月18日 12時) (レス) id: 2f50dbd382 (このIDを非表示/違反報告)
4It5g(プロフ) - ありがとうございます!!楽しみにしています!!!! (2019年4月17日 7時) (レス) id: ca5fd267e4 (このIDを非表示/違反報告)
柊李(プロフ) - 4It5gさん» ありがとうございます。少しですがアップしました。明日も更新する予定ですので楽しみにしていてくださると嬉しいです。 (2019年4月17日 0時) (レス) id: 61b50e5ecf (このIDを非表示/違反報告)
4It5g(プロフ) - 続きが早く読みたいですー!!!!いつもわくわくしながら読んでます。 (2019年4月12日 18時) (レス) id: ca5fd267e4 (このIDを非表示/違反報告)
柊李(プロフ) - ナナさん» コメントありがとうございます!励みになります!展開はある程度決めているので楽しみにしていてくださいね!!出来るだけ早く物語を進めるように努めます。 (2019年4月3日 16時) (レス) id: 9e2e057872 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊李 | 作成日時:2019年2月1日 1時