終わり ページ2
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まぁ人生の終わりというのは突然やってくるもんで。
腹部中心にはポッカリと大きい穴が空いている。
そこから流れ出る血は、腹から足へ、そして、地面へと伝っていく。大量の出血だ、数分もしない内に私は死んでしまうのだろうな……
周りには《鳩》である喰種捜査官が囲っている。
逃げ場はない、詰み、絶対絶命。
ハハ、と渇いた声が漏れた。
最期なんだ、少し過去を振り返ろう。
男と女、子供と老人、人間と喰種、そんな存在を関係なく無差別に殺してきた。私に殺された人間と喰種は皆が口を揃えて悲願だったり忌み言葉だったりを吐き出して死んでいった。
「最低だなぁー、私」
きっと逝き着く先は地獄だろうな。
こんなに人を、喰種を殺戮してきたんだ、間違いない。
「言い残す言葉はあるか?」
喰種捜査官である人間が私に語りかける。
言い残す言葉って…
そうだな、
「死ね、ゴミカス野郎」
「ッチ、この家畜以下がッ!!」
私の発言にキレた捜査官は、己の手に握るクインケを大きく振りかざした。
宙へ浮く私の首はゴトッと惨めにも地に転がった。
死体を見慣れているからといって、離れ離れになった自身の身体がピクピクと動くのは気持ち悪い。うえッ。
まぁ今度こそ終わり、最期だ
今世はまぁつまらない人生だった
ホントついていない、毎日が厄のような人生
もしも《来世》というのがあれば、次は人間に生まれたい。ケーキとかシュークリーム、エクレアにマカロン、人間が食べるモノが食べたい。そして、毎日あんな野郎共に怯えなくて済む日常を送りたい。
そして今度こそ…
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『A!』
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アナタに会って謝りたい。
薄れゆく意識の中で感じたのは
頬に濡れた血の感触と少しばかりの痛み、寒気
そして
孤独と後悔だった。
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アゲハ(プロフ) - あくわいさん» 私の誤字でした。ご指摘感謝します。 (2022年1月9日 20時) (レス) id: 6f074cf7a7 (このIDを非表示/違反報告)
あくわい - あの………凄く言いにくいんですけど………多分「ツテ」じゃなくて「ツケ」だと思うので………一応調べてみてください……… (2022年1月9日 18時) (レス) id: d8c2d43c86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アゲハ | 作成日時:2022年1月3日 12時