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いつから解らなくなったんだろう。幼少期に初恋をして、振られた覚えがある。けど振られた時にソーラー電池式のキャラクターの電卓をもらい、今思い返したらよく分からないお返しだ。よく分からなさ過ぎて、あまり現実味がない。
小学生はまだ恋に憧れていた。両想いになって付き合い始める子を見て、見様見真似の恋をしていた、と思う。
「ねぇA、Aの事をね…」
こういう小学生のデリカシーのない発言を鵜呑みにして、失敗した記憶もある。
まだ、恋心はわかっていた。
─
あかねの結婚式。隣にいるのは、彼女が学生の頃から好きだったあの人。
「おめでとう」
「ありがと!幸せだあ」
純白のドレスを纏う彼女は、幸せに溢れていて、眩しかった。
「ねぇA」
「何?」
目を瞑りたくなるほどの笑顔で、問いかけられる。
「いつ好きな人出来るの?」
「!!!」
夢か、今のは。白くぼんやりしていたから、多分夢だ。明かりのない自分の部屋。うん。夢だった。冷や汗が頬に、背中に伝う。こんな夢を見るほど、愛に飢えているのか、それとも追い詰められているか。
こんな夢を見るなんて、弱いな私。
壁にかけてある時計は早朝の時刻。今日は休み。どうしようかな。駅周辺ぶらぶら歩くか。
頭の中で即席のスケジュールを作って、二度寝をする準備に入る。
もう二度とあの夢を見ませんように。
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作者名:さくら大福 | 作成日時:2020年2月15日 2時