5-7 ページ8
.
「....ぇ、ねぇ！A、大丈夫？授業中にボーッとしちゃって。次、貴方の番よ。」
「えっ、本当だ！ありがとう...。」
薬草学の授業中、授業で扱っている植物の鉢の植え替えを行なっていたA。そのどこか上の空な様子に違和感を感じたヘレンにそう指摘されAはハッとした様だった。
「ねぇ、何かあったの？今朝もなんだか元気がなかったけど...。もしかして、ルーピンに関係してる？」
「え...ん〜...。関係してなくはないんだけど...。」
Aの渋る様子に、ヘレンも心配がつのる。
「もう、話して。いつもAは一人でなんでも考えようとするんだから。」
「あのね、リーマスのことでも悩んでるんだけど、今すごく心に引っかかっているのはシリウスのことなの。」
「えっ！？ブラック！？」
大声で驚いた声を出すヘレンにAは焦る。今からヘレンに話すことを誰にも聞かれたくなかったのだ。
「どうして、ブラックなの？もしかして、ルーピンじゃなくてブラックに恋しちゃったとか？」
「もう、なんでそうなるのよ。シリウスは親友よ。でも...この前私、彼にリーマスのことを相談しちゃって。その時私、多分真剣に彼に相談に乗って貰うことじゃなくて、彼に慰められて励まされることを期待していたの。...でも彼に正論を突きつけられちゃって。」
「どんな相談をしたの？」
「...言いたくない。もう答えは出ているし。それに、彼に自己中心的で浅はかな期待をした私の気持ちを知られるのが恥ずかしいの。...あの時もシリウスになんだか見透かされちゃった気がして...。」
すごく落ち込んでいる様子のAにヘレンはもどかしい気持ちになった。きっとAはシリウスに見透かされてしまった事がとても恥ずかしかったのだろう。だがヘレンは知っていた。ブラックがAを見つめる瞳を。
「...大丈夫よ、A。何があったかわからないけど、...けどきっとブラックならどんな貴方でも受け入れてくれる人だわ。もちろん私やエリー、ステラもよ。だからそんなに気にしなくて大丈夫。」
「....ヘレン。ありがとう。」
「...ほら、早く植え替えを終わらせちゃいましょ。」
「そうね。」
ヘレンの言葉に少し元気を取り戻したAは、またシリウスに話をしてみようと思うのであった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 448人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちひろ。！(プロフ) - コメント失礼します！このCSSなのですが、なんて調べれば出てきますか??~_~; (2021年3月11日 17時) (
レス) id: df9615165f (このIDを非表示/違反報告)
烏の宿り木(プロフ) - とても胸に響く作品で、主人公に感情移入しすぎて泣いてしまいました。1年でも2年でも3年でも待ってますのでゆっくりと休んでください。主人公の幸せとさんさん様の幸せを願って（上から目線ですみません）またお会いできる日を楽しみに待っています。 (2020年4月9日 21時) (レス) id: 96c6daa713 (このIDを非表示/違反報告)
さんさん(プロフ) - ぴさん» コメントありがとうございます。余裕がある時にまた作品を更新したいと思います。それまで待っていて頂けると嬉しいです。 (2020年3月26日 5時) (レス) id: 139e20040f (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 更新楽しみにしています>< (2020年3月16日 2時) (レス) id: 5f671b2301 (このIDを非表示/違反報告)
さんさん(プロフ) - 玲さん» また時間がある時に、玲さまの作品も拝読したいものです。ご理解のあるお言葉、本当にありがとうございました。これからも少しずつではありますが、お話を楽しみに待ってくださる方の為に頑張ります。 (2020年3月7日 2時) (レス) id: 139e20040f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さんさん | 作成日時：2019年12月22日 22時
