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「....っ...ぅっ...。」
リーマスの元から逃げ去ったAは、しばらくして誰も居ない暗い廊下の中で立ち止まった。とめどなく溢れてくる涙は大きな雫となって彼女の袖を濡らす。
諦めていた。彼に振られてしまう事なんて随分前からわかっていた。だけど、やはり彼に突きつけられた現実はAにとって酷なもので、さらにその上、Aは何の根拠も無く、誰からもこの先こんな風に自分自身は必要とされなくなってしまうのではという自分を卑下する考えに支配されていた。
「......A。」
「っ！？シリウス！？....来ないで！今貴方にこんな姿、見られたくない！どうしてこんなところにいるの！？」
突然現れた彼女に想いを寄せるシリウスの存在にAは驚いた。さっきまで気配も感じなかったのに。そして、普段から人通りの少ないこの廊下に都合良く現れた彼は、傷ついて、荒んでしまった今の彼女の心にとって望まぬものだった。それでも彼女の制止で立ち止まった彼は、まっすぐAのことを見つめていた。
「....どうしてって、...おまえがこんなところで立ち止まってるのが見えたから、心配で....。」
「....いつから見てたの？私とリーマスが一緒にいる時から！？....申し訳ないんだけど、今誰かと話したい気分じゃなくて、一人にさせてくれないかな。」
Aはこの時、もっとも惨めな気持ちであった。もしそんな自分が誰かに見られていた、それも彼女の恋心を知るシリウスであったのならば、声を掛けに来た彼に対する彼女の苛立ちを含んだ言葉は、おおよそ普段からも少しだけちらつかされる彼のデリカシーの無さへ向けたものでもあったのかもしれない。彼のその行動が彼女への心配と善意から成るものであったとしても、今の彼女にはそれを穏やかに受け取れる心の状態ではなかった。何にせよ、彼女は今、全てのものが敵に思えてしまうほど、孤独を感じる心であった。
彼女から溢れる大粒の涙。自分に向けられる不審の目と、棘を含んだ彼女からの言葉。いつもの彼女はかけ離れたそれは、シリウスもよく知っていた。
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ちひろ。！(プロフ) - コメント失礼します！このCSSなのですが、なんて調べれば出てきますか??~_~; (2021年3月11日 17時) (
レス) id: df9615165f (このIDを非表示/違反報告)
烏の宿り木(プロフ) - とても胸に響く作品で、主人公に感情移入しすぎて泣いてしまいました。1年でも2年でも3年でも待ってますのでゆっくりと休んでください。主人公の幸せとさんさん様の幸せを願って（上から目線ですみません）またお会いできる日を楽しみに待っています。 (2020年4月9日 21時) (レス) id: 96c6daa713 (このIDを非表示/違反報告)
さんさん(プロフ) - ぴさん» コメントありがとうございます。余裕がある時にまた作品を更新したいと思います。それまで待っていて頂けると嬉しいです。 (2020年3月26日 5時) (レス) id: 139e20040f (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 更新楽しみにしています>< (2020年3月16日 2時) (レス) id: 5f671b2301 (このIDを非表示/違反報告)
さんさん(プロフ) - 玲さん» また時間がある時に、玲さまの作品も拝読したいものです。ご理解のあるお言葉、本当にありがとうございました。これからも少しずつではありますが、お話を楽しみに待ってくださる方の為に頑張ります。 (2020年3月7日 2時) (レス) id: 139e20040f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さんさん | 作成日時：2019年12月22日 22時
