＊沖田総悟とあなたを観察しました＊〜短編集〜

2月14日　バレンタインデー ページ30

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忘れられない



年に一度の大イベント



あの日がやってきた



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「おぉ総悟！今年はもらえるといいな！」



「・・・別に」



俺の気持ちを知っている近藤さんの行動はおせっかいとしか思えない



大体バレンタインデーなんて日を作った奴が悪い



1日中男女がそわそわしているあの空気に吐き気がする



こんな日なくなっちまえばいい



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ずっとそう思っていた




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教室に入ると机の上には山盛りの箱やら袋やらで散乱していた



人の机を勝手に汚すなってんでィ



俺がもらいてぇのは・・・




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「あ、総悟！おはよー！」



隣の席の（人1）Aだけだ



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「うっわ！すごー・・・



　モテる男は大変だね」



「まじむかつく」



「まーいいじゃん！ゆっくり味わってやんなよ



　んじゃ！」



そう言ってあいつは体育館に走って行く



いわゆるスポーツ系女子



こういうのには無関係な奴だった



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「・・・今年も、だめかィ」



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授業中も休み時間もあいつのことを考えた



もしかしたら部活の先輩にあげるとか？



もしくはもうあげたのだろうか



心の中がもやもやする



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そういう相手はいるのだろうか



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「・・・沖田先輩、これ・・・」



「・・・あぁ、どうも」



だんだん対応もそっけなくなっていく



「・・・お前、まだなのか」



「まだっつーか、ねぇでしょうどうせ」



「放課後まで待ってればいいんじゃねえか」



「・・・だからねぇって



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　あいつはそんな目で俺のこと見てない」



だから嫌なんだよ



バレンタインデーなんて



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無駄に期待してどん底に突き落とす感じ



それでも期待感が残るこの感じ



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「・・・あぁ土方さんなんて・・・あぁ、くそくらえでィ」



「・・・落ち着け」



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空しい



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