＊沖田総悟とあなたを観察しました＊〜短編集〜

12月1日 ページ21

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「おはよー」



Aはいつも通りの挨拶をして自分の机に鞄をのせる



気づかれねぇようにちらちらAの様子を伺った



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「あ、そうだった」


とっさに思い出して鞄の中から携帯を取り出し



廊下に出て走って行く



Aにばれないようにこっそり着いていった



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人気のない階段を選んで『奴』に電話をする




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「・・・ぁ、もしもしAです



　ゆうきさん？」



ゆうき？



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「もう、朝はやめてって言ったじゃないですか



　隣に本人がいるんだから・・・




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　え？昨日のやつ？



　考えてくれたんですか！？



　ありがとうございます！！



　それで・・・



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　黒？無難ですね



　私もシンプルな感じだといいかなぁって



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　ピンク！？それはちょっと、恥ずかしいですよ！



　・・・え？あぁそっちのことか



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　いや、そっちのことでもピンクは・・・え？冗談？もー！



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　うーん、私的には白でもいいかなって



　なんか素敵だと思って・・・



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　はい・・・じゃあそうしましょう！



　わざわざすいません



　また放課後・・・いつもの所で、待ってます」




よしっと言って嬉しそうに階段をかけ下りてくる



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ばったり遭ってしまった




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「え！！？総悟！！なんで、いつからそこに・・・」



「・・・デートだよなァ、今のは」



「で、でーと？」



「ゆうきさんって男といちゃいちゃしてんですかィ



　それァ忙しいのも無理はねぇな」



「い、いちゃいちゃって・・・違うよ！そうじゃなくて、



　総悟、やっぱおかしいんじゃないの？



　いつもの総悟じゃない」



「誰のせいだと思ってんでィ



　彼氏のいないところで随分楽しみやがって



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　どうせアレだろィ



　俺の愚痴を聞いてくれる優しい男にいつの間にか恋しちゃったんだろ



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　そんなに俺が嫌ならさっさとフれば？」



「何それ！私ってそんな軽い女じゃ・・・



　ひっど・・・



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　総悟がこんな心の狭い奴だとは思わなかった！」



「今更気づいたのかィ



　鈍くせぇなお前、そんなんだからだめなんでィ」



「総悟のバカ！どっか行っちゃえ！！」



大粒の涙をぼろぼろと流しながらAは走って行った




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「なんで俺がバカなんでィ・・・」



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