＊沖田総悟とあなたを観察しました＊〜短編集〜

12月1日　浮気発覚の日 ページ19

「今日も病院？」



「うん！ごめん！だから今日も帰れない」



「昨日も病院じゃなかったっけ」



「昨日は美容院です！」



「1週間前も病院行ってただろィ


　大丈夫かお前」



「平気平気！ごめんね！じゃまた明日！」



そういって相変わらずの笑顔で教室を出ていった



まるで俺から逃げるかのように



.




.




「Aちゃん、最近忙しそうだな！」



「近藤さん・・・



.




　まぁ、なんか病院に行くらしいですぜ」



「それにしても忙しすぎねぇか？



　毎日先に走って帰って・・・」



「体調でも悪いんでしょう



　てか土方さんには関係ねーや」



「何？病院だって？俺てっきりあれだと思ってたぞ」



.



「・・・あれって、なんですかィ」



.



「総悟お前、知らないのか？




.



　Aちゃん、駅前でバイトやってんだぞ」




.




「・・・バイト？



　聞いたことねぇや」



「俺も初耳だ」



「土方は黙ってろィ



.



　なんで近藤さんがそんなこと知ってんでさァ」



「バイトしてるところをたまたま見かけてな！



　そうかー



お前ら知らなかったのかぁ」



「別に俺は知らなくてもいいけど



　総悟が知らないのは問題じゃないか？彼氏なんだし



　総悟に言えない事情があるならまだしも・・・」




.




.




彼氏に言えない事情・・・？





.




.




「・・・」




「・・・」




「・・・」




「え、いや、ねぇでしょうAに限って浮気なんて」




「いや浮気なんて誰も言ってねーよ」




「・・・」




「・・・」




「・・・まさかな、Aちゃんがな」




「2人ともやめて下せェ



　そんな笑えねぇ冗談、気味が悪ぃ」



「でも可能性はある



　最近の（人1）はなんか生き生きしてるよな」



「たしかに、時々Aちゃんが楽しそうに電話してるところ見るぞ」



「下らねぇこといつまでも言ってんじゃねぇや



　俺もAもお互いのこと分かったうえで付き合ってんでさァ



　2人に心配される程やわじゃねぇ」



「総悟・・・」



「俺もそろそろ帰りまさァ


　
　2人の戯言に付き合ってるほど暇人じゃねぇんで」




「・・・総悟、お前・・・」



「何ですかィまだ何か言う事でも」



「いやそうじゃなくて



.




鞄、忘れてる」




.




.




.




「・・・お前、動揺してる？」

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