＊沖田総悟とあなたを観察しました＊〜短編集〜

5月28日 ページ16

.




「あ、はい。私のなんです



　すいません」



受け取ろうとしたが彼は渡してくれなかった



.




「・・・こんなところで無防備に寝てたら


　そこらの男に食われちゃいまさァ


　気をつけたほうが身のためですぜ？」



「は、はぁ」



寝てる所見られてたのか、恥ずかしい



.




.




「・・・？あの、何か・・・？」



.



「・・・せっかくだし、送りやす」



「え！？い、いいです！！そんな・・・


　お巡りさんに申し訳ないです」



「今日は暇なんでェ



.



・・・それにお嬢さん、鈍感だから本当に危ねぇ」



.




どんかん？




.



「・・・じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて？」



お巡りさんってこんなに親切だっけ？



ここらへんでは見ない顔だけど



むしろこの人が危ない人では・・・



と思うと全身に寒気を感じた




.




.




.




「や、やっぱり信用できないんですけど」



「え？」



「家まで来られると、色々困ります」



「大丈夫、信じてくだせェ」



「でも！信じられません！そんなっなんか、怪しい・・・」



「嘘なんてつかねぇ


　大丈夫でさァ」



抵抗する私の腕をつかむ



.




「む、無理無理！本当に怖い！！誰か！！」



「相変わらず疑い深ェんだよお前は」



「っえ！？なｎ・・・んぐっ・・・」



彼は掴んでる腕をより強くにぎる



手で私の口を強引に塞いだ




.




優しそうなかっこいい人



・・・総悟くんみたいな人は、やっぱり、信用できないな



.




.




.




.




「・・・『僕は嘘をつかない』」



.



「・・・へ？」



.




「『僕は絶対帰ってくる



.




　大丈夫、僕は嘘をつかないから』」



・・・それ、どっかで聞いたこと・・・



.



頭の中がぼやぼやした



聞いたことのあるフレーズだったけど



声のトーンが違くてなかなか一致しない



.




.




・・・これ




.





.





.





.




「『僕が帰ってきたらAは嘘つきになるよ』



　的なこと、言ってたような気がしねぇかィ



.




.




　ばかなお嬢さん」



「！！！」



.




.




そ・・・




.





.





.




「総悟くん！！？」



.




.




「気づくの遅すぎだろィ」



呆れたように笑って見せた



.



総悟くんだ


18歳の総悟くんだ・・・

5月28日→←5月28日

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す