Important Story.4 (短編集)

F#7 ページ10

「遥輝くん遥輝くん！！」

「んー？どしたー？」









いつもの帰り道

隣を歩く君の、俺を呼ぶ声









「みてみて！一番星！！」

「どれどれ？...あ、ほんまや」









夏服へと変わった制服から伸びる腕

日焼けなんか気にしないその腕はこんがりきつね色

...とまではいかないものの、

いい具合に焼けている。









「日が延びたなぁ」

「遥輝くんおじいちゃんみたい(笑)」

「おじいちゃんて(笑)」









にひひ、といたずらっ子みたいに笑ったA。



でもほんと、ついこの間まで

この時間にはもう真っ暗だったのに。

今はAの顔がはっきり見える。









「あ、そうだ遥輝くん」

「ん？」

「これあげる！」









ぽんっ、と優しく置かれた。

どんなに忙しくても毎年作ってくれるお守り。









「今年は黄色ね！」

「なんで黄色？」

「んー、元気が出るから！！」

「なんやそれ(笑)」







まぁわからなくもないけど、ってAの頭に手を置いた。んやけど、

こいつ何時間直射日光に当たってたん？めっちゃ熱いんやけど。

俺の手で冷ましたろ。









「遥輝くんなにしてるの？(笑)」

「おまえの頭が熱いから熱取ってんの」

「えぇなにそれーありがとー(笑)」









へらへら笑いながらお礼を言ってくれるんやけど、









「(ほんまふわふわしとる)」





って、俺の脳内ずっとこう。









まぁそこがええんやけどね。









(無性にかわいくて。)

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