後輩が俺に惚れない【五条悟】

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五条「いや…お前が俺を嫌ってんだろ」



『え？？』



五条「え？？」





どういうことだ


はい、って言わないってことは

こいつ別に俺のこと嫌いじゃねえのか？



いやでも





五条「お前明らかに俺に対してだけ態度違うじゃん

喋りかけてこねえし、あんま笑わねえし」



『……え、だってそれは五条先輩が前に

"お前と仲良くするつもりないから"って…』




五条「！！！！」





そういやそんなこと言ったな！！


てかおい、まさか





五条「まさかお前それで俺のこと意図的に避けてたのか！？」



『えっ！？そうですよ！？

だって仲良くするつもりないってことは
仲良くしたくないってことじゃないですか！

だから先輩を不愉快にさせないようにずっと適切な距離をとってたんですよ！！』



五条「っ…」





うわ、なに

そういうこと！？


じゃあもう完全に俺のせいじゃん！！





五条「えと…た、たしかに！！

あんときはお前のこと全然信用してなかったから、あんま近づきたくないって思ってたけど！！

今は違ぇから！」



『！』



五条「今は…その…
高専のボタンくらいなら信用してるし…

あとお前のこと…
嫌いだとは思ったこと…ない」






うわーー…何必死になってんだ俺

だせえ…


しかも高専のボタンくらいって…

もっとかっこいい例えあっただろ


目についたもん口に出すんじゃなかった…





『んっ、ふふ』



五条「あ！？何笑って____！」



『そっかぁ…

私、嫌われてなかったんですね』



五条「………っ、うん…」





笑われた、と思って顔を上げたら


そこにいたのは
心底嬉しそうな顔をしたそいつだった





『このボタンくらいには
信用してもらえてるんですね』



五条「おいそれはあんま覚えんな」



『ふふ、

…………………あの、先輩』



五条「あ？」



『今は違うってことは…

私、先輩と仲良くしてもいいんですか？』



五条「は？…いや、まあ、うん

そういうことに…なるな…」



『！、ﾌﾍ』





"俺と仲良くしてもいい"


つまり

俺に喋りかけたり、笑いかけたりしてもいい




たったそれだけなのに




座り込んだままのそいつは


すごくすごく、嬉しそうに笑った

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