後輩が俺に惚れない【五条悟】

#20 ページ21

夏油side




五条「なあ〜〜〜〜〜傑〜〜〜」




梅雨真っ只中のじめじめしたある日


机に突っ伏した悟が

そのままの状態で私の名前を呼んだ





夏油「なんだ？悟」





面倒くさい気配を感じながらも返事をする





五条「…………俺ってさぁ〜〜

嫌われてんのかなぁ〜〜〜〜……」





ほらやっぱり、面倒くさい





夏油「……それは…Aにか？」



五条「んん…」





悟との最近の話題は

もっぱら彼女に関することだ



だいたい悟が話し出して始まる





五条「オトそうとしてんのにさぁ〜

まじでいっっっっこも赤面しねえの」



夏油「まぁ…そうだね」



五条「俺のこと好きでないにしてもさ〜

この俺の顔を前にしていっこも赤面しねえとか…

俺のこと嫌いか
だいぶイカれてるかのどっちかだろ…」



夏油「いや、顔がよくても性格がダメなら
ときめききれないだろ」



五条「あ"？？？」



夏油「ほらそういうとこ」





やっと上げられた悟の顔はひどいものだった


前よりも格段に隈が濃くなっている





五条「…傑は俺があいつに嫌われてると思う？」



夏油「さぁ…でもそうやって悩むってことは

彼女に強く当たってきた自覚はあるんだろ？」



五条「………………ある」



夏油「！」





あげられた顔を伏せて再び項垂れる悟


ここまでしおらしいのは始めて見たな



最近ずっと雨が続いてるせいだろうか




私たちが思っているより

悟の精神はすり減っているらしい





夏油「(まあそれもそうか…)」





人に嫌われているというのはなかなか耐え難い



ましてや________





夏油「……………………まあそう落ち込むな悟」




五条「……べつに、落ち込んでねえし

ただちょっと思ってたよりむずくて唸ってるだけだし」



夏油「はいはい…

悟が嫌われてるかどうかは分かりかねるけど

もし嫌われてたとしてもまだチャンスはあると私は思うよ」



五条「！」



夏油「要は彼女に今まで強く当たってきたぶん、優しく接すればいいんだ

そしたら彼女の悟への印象も少しは変わるんじゃないか」





今度は勢いよく顔を上げた悟は目を輝かせた





五条「そうだよな…そうだよな！！

今嫌われてたって今後ずっと嫌われるって決まってるわけじゃねえもんな！！

てかそもそも嫌われてるとも決まってねえし！！」



夏油「そうだよ」



五条「俺頑張る！！！」



夏油「うん、頑張れ」





いろいろとね。

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