後輩が俺に惚れない【五条悟】

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俺は最初からそいつを信用してなかった


初めて会ったのは
たしか四月の下旬くらい




『初めまして、東雲(しののめ)Aです！』




笑顔で自己紹介して

激しく頭を振り下ろしたそいつは




俺が3日間の任務に出ている間に
増えた一年だった




『傑先輩と硝子先輩のお話によく出てこられるので…お会いしたかったです』


五条「…そういう社交辞令いいから」


『え、』




つい最近まで一般人、しかも女


挙げ句の果てに誰にでも尻尾ふるようなヤツ



どこを信用しろっていうんだ



今までのそういう女は全員

俺が何もしなくたって勝手に惚れてきて

俺に組み敷かれてよろこぶのがお決まりだった





高専で初めてできた女の後輩


どんだけ嫌がったって
少なくともあと数年は切れない縁だ





五条「俺、お前と仲良くするつもりないから」





俺は二度と会わない女としか関係を持たない


身近なヤツに惚れられるのは困るし面倒



だからそれだけ言って距離を置き続けていた




のに





五条「(最悪だ…！)」




よりにもよってそいつと事故チューした。




『…え…と』


五条「……」




事態を把握してんのかしてないのか

俺の前で間抜けな顔をするそいつ



やめろその顔




五条「(くそ…まじで最悪だ)」




これで完全に

こいつが俺に惚れる可能性が爆上がりした




『ご、ごめんなs』


五条「お前これで俺に惚れたりすんなよ」


『！』




起きたもんは仕方ない


だがせめて釘を____






『…？？何言ってるんですか
惚れないですよ』






五条「…………………あ？」






もう一度言う



俺は最初からそいつを信用していない




だけどそのときの顔は

誰がどうみても


本音を吐露したヤツの顔だった

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