【食戟のソーマ】誘いと罠【第3章】

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A「自分のレシピをあんなふうに越されたのがそんなに嫌だった？

そんなに悔しいと思ったら美作くんを追い越そうと思わないの？


メッザルーナが大事？取り返したい？

だったらここで落ち込んでても進まないよ」


タクミの背中に回してた手を頭まで持ってくる


A「大丈夫、タクミはこんなとこで折れる人じゃない」


タクミ「………A」


タクミが顔を上げて私をみた

そしてタクミのたくましい手が私の頭に乗せられる


タクミ「……ありがとう」


私は少し赤くなっている顔を隠してタクミから離れた


A「じ、じゃあそういうことだから！」

タクミ「あ、おい……」


ばたばたと部屋を出ていってしまった私


あー、なんだろう

人を元気にするってなんて心地いいんだろう


《叡山side》


『私のことが嫌いならハッキリそういえばいいじゃないですか！』


………またか


最近どうもこの言葉が頭の中で回って離れない


うぜぇな……


俺は学園内の廊下をスタスタと歩き続けながら、あいつの言葉を繰り返し聞いていた


叡山「……ん」


前方から向かってくる影……あれは……


叡山「……お前か」


一色「叡山くん、君、後輩泣かせちゃだめだよ」

一色の奴は親か何かのように俺にそう言う


後輩……Aのことか


一色「不器用でもあれはやりすぎたんじゃないのかい」


叡山「お前、あいつの保護者やってるつもりか？

俺がどうしようが勝手だろうが」


一色「……あまりやると恨みを買うかもよ？

Aちゃんは人望に困らない性格だし、その人望が“違う感情”に変わるのも必然だからね


例えばほら……八席のあの子とか、ずいぶんAちゃんのこと可愛がってるし」



叡山「うるせえな……あのチビの方が嫌がられてんだろ」


どっちもどっちさ、という一色の言葉を無視し、俺は先へ進んだ


『私のことが嫌いなら、ハッキリそう言って……』



ああ……うぜぇ


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