拾伍話 ページ22
「ばいばい、おにいちゃん」
『バイバイ澪ちゃん』
妹さんたちが迎えに来て、寂しくなって泣いちゃった澪ちゃんをなんとかなだめ、未だ涙の跡が残る彼女に手を振った
「…お前も大概人たらしだな」
『……誰に似たんでしょうね』
そう言えば万里さんは黙り込んだ
二人きりになった家はとても広く、寂しく感じた
「…うまくやっているか」
『はい。怪しまれるようなことは今のところありません』
「…言い方が悪かったようだな。学校生活は楽しいか」
『！……楽しい、です。とっても』
一度吐き出された言葉は、止まることを知らないかのようだった
『僕なんかを、ほんとに、大切にしてくれて。すごく…すごく温かくて。五条くんは、五条くんこそ最強なのに、僕を強いって言ってくれるし。夏油くんも、僕を理解してくれてて、家入さんだって、僕を気にかけてくれる、から…』
皆、僕を信じてくれてるのに
ぼくはみんなを心の底から信じられているだろうか
『ばんりさっ、ぼくはっ、ぼくはどうしたらっ……』
くるしい、くるしいよ……！
ぼくは、ずっとみんなをだましていなきゃいけないの？
永遠に、皆の前で嘘をつき続けるなんて、
僕にはできないよ…
「大丈夫、大丈夫だ…」
万里さんは12年前と同じように、僕の頭を撫でてくれた
「…A、お前に術式を隠し続けさせる理由はな、私がお前を失いたくないからだ。お前の術式は表に出れば処刑もの……すまない。お前はもしかしたら、自分の命よりも友達を選ぶかもしれないが、私は……」
万里さんの言葉が途絶え、僕は顔を上げた
万里さんの目には透明な膜が張られていて、思わず息を呑んだ
「私には、Aだけなんだ。いなくならないでくれ」
尊敬する師匠の悲痛な呟きに、僕は首を縦に振るしかなかった
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「おかえり〜。写真すっごい癒やされたわ。ありがと」
『そう？良かった』
「次はデカいガキのお世話よろしく」
『えぇ…』
なんだ？また喧嘩でもして…
「よ！おかえり！」
『うわっ、た、ただいま』
「……ねぇA。その指についてるのはなんだい？」
『え？あ゛、』
「あ？んだコレ、指輪？なんでソコにつけてんだよ」
『え、その』
「ごゆっくり」
『い、家入さん⁉』
「さぁ話してもらおうか」
『ご、誤解だって』
こんな日々も、いつか終わってしまうのかな
考えたくない
未来のことなんて
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乃愛(プロフ) - 薬研藤四郎！刀剣乱舞！まじで嬉しいです！男主の愛されってあんまりないので嬉しいです！無理せずに頑張ってくださいね！ (2023年3月17日 11時) (
レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
黒弧(プロフ) - えっと！絵を書かせていただいて、Twitterで、出しました。黒弧って調べて見てください。 (2022年10月2日 9時) (レス) @page1 id: 4b13e88e37 (このIDを非表示/違反報告)
豆乳様。(プロフ) - 間違えて、コメント消してしまったので再コメントです…。あの…、奇跡的に苗字に国が付いてるとことか誕生日が同じとか私と共通点多すぎてビックリしました！！なんか、テンション上がりますよね(え？)www最強コンビ好きなので、この作品神作です！！ (2022年1月8日 22時) (レス) id: 0c1825ef28 (このIDを非表示/違反報告)
Dオタの極み - トウモロコシさん» コメントありがとうございます！やっぱり薬研藤四郎って人気な刀なんですね… (2021年7月14日 8時) (レス) id: acb1846eac (このIDを非表示/違反報告)
トウモロコシ(プロフ) - あ……もう刀に薬研藤四郎がいる時点で神作品だと悟った (2021年7月14日 2時) (レス) id: 59f131ffc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Dオタの極み | 作成日時：2021年5月11日 23時
