問題児2人と保護者1人。ただし最強。

参拾漆話 ページ46

　
　
　
『はァッ！！』


地面を蹴り、目指すは男の足元


真逆自分から突っ込んで来るとは思わなかったのだろう


男には大きな隙ができた


男が支えにしていたのは木材で、簡単に斬れた


それと同時に男を蹴り飛ばして宗三を抜いて地面に刺す


「あ゛ぁァァァァァァァァァ！！」


バクリ


渦が男を呑み込んで消えていった


『…あれって最後どうなるんだろ』


吸い込まれたら、四肢がちぎれるとか？


普通に木っ端微塵になって死んじゃうのかな


『北に行ってみるか………お、』


携帯が震え、傑くんからの連絡を知らせる


〚正体不明1人捕まえたよ。そっちはどうだい？〛

『一人片付けた、かな』


…あれは僕が殺したんじゃない


〚わかった。私と黒井さんは今正面玄関のところだ。もう1人は逃してしまったけど、今頃悟が倒してるだろうね〛

『了解。僕もそっちに行くね』

〚あぁ、待って。私は先に悟と合流する。Aは黒井さんに追いついてくれ〛

『わかった』


……何か引っかかる


なんだ？


［助言をしてやろうか］

『最近よく話しかけてくるね』

［坊が心のどこかで俺を呼んでるんだよ］

『はぁ…それで、助言って？』

［…あの世話役、それほどに価値のない者だろうか？］


……あっ！


そうか、狙われているのは理子ちゃんだからと、油断していた


理子ちゃんに鉄壁のガードがあるなら、代わりを攫うまで……！


『ｯクソっ』


自分に出せる全速力で校門まで走る


校門を出た先、どこを見渡しても、どんなに声をかけても、


　
そこに黒井さんはいなかった

　
　

　
ﾌﾟﾙﾙﾙ ﾌﾟﾂｯ)
〚A？どうかした…〛

『ごめん！傑くん！黒井さんがいなくなったｯ』


電話の向こうで傑くんが息を呑む


僕のせいだ


僕の判断が遅かったから


〚すまない。私の判断ミスだ。すぐにAもこっちに来てくれ〛

『…うん』
　


　
僕はいつになったら、人を守れるようになるんだ

　
　

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