【銀魂】細雪の残滓 (ページ6)

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ep3.片言折獄　2/3 ページ6

「こんなの、生きているのに死んでいるのと何が違うんだろうって。
己がいつどこでくたばろうが、誰も何も想うこともない。そこらで野良猫が死ぬのと一緒だ。だれも知りやしないのに。

そう思いながら、とうとう今日まで死ぬ選択肢を選べず、のうのうと生きてるわけなんだけど。

だから、聞きたい。はじめましての、お互いに何も知らない、あんたに聞きたい。

ねえ、あんたは、なんで生きているの？
生きる意味ってなに？」

すべてを言い終えた後で、男のほうに視線を向ける。

そうだ、自分はずっと知りたかったのだ。

法師様に守られたこの命の使い道が。
身寄りはなく、家族もいない。そのうえ、自分のことですら何も知らない自分。
そんな生き物が、死んだように生きていること。

男の表情は伺えなかったが、前を向いてどこか遠くを見つめているようだった。

そして、しばらくの沈黙のあと。

「……私も、きみと同じだった。」

「同じ……？」

「ええ。そして、ようやく最近わかった。
生きて、抗い続けること。それが私の見つけた意味でした。」

「あらがいつづける……なにと……？」

男の言う真意がわからず思わず尋ねる。
男は変わらず、前を見ている。こちらには目もくれずに。

「死神と。」

「しにがみ……？」

やはり言っていることがわからず、オウム返しをして怪訝な顔を浮かべてしまう。
突拍子もないことを言っていると思うが、男が嘘を言っているようには見えなくて。

戸惑いながらもそのまま男を見つめていると、しばらく間を明けて、男がこちらを向いて言う。