★ep11.それは俄事なんかじゃない 3/3 ページ36
「み、認めねー!!!」
私は叫んだ。いや、喚いたが正しいかもしれない。木の柱に刻まれた二つの線を見て。
だって、こんなに小さかったじゃん!と己の腰のあたりに手を当てて表現して、私の後ろひょこひょこ着いてきてアヒルの親子みたいだったじゃんかよお……。返せよお、私のかわいい銀時をおお……と身振り手振りを合わせて嘆く。
あのあと、松陽は縁側の前の柱で止まると私と銀時、一人ずつを柱の前に並べて柱に身長を記録した。その結果、私の現実逃避は虚しく、やはり銀時に身長を少しだけ。そう、少しだけ、越されたらしい。
「俺はそんなにちっこくなかったわ!幻覚も大概にしろや名前チャン??」
いや〜〜、俺もついに成長期かねえ、と銀時がにやにやしながら煽るが、私には響かなかった。ただただ事実が衝撃的すぎた。青天の霹靂といったら大げさだろうか。
右手を顎に当てて、考えるそぶりをした松陽が
「もしかしたら、銀時のほうが身体的にはお兄さんだったのかもしれませんねえ……。満足に今まで成長できなかった分が、今になってぐんぐん伸びに伸びてるって感じなんでしょうか」
「ん〜〜〜そっかあ……じゃあ仕方がないかあ……」
出会ってからの決して豪華ではなく限りなく質素な食事ではあれ、戦場とは違って規則的に食べることのできる環境で過ごせばそうなるかあ、と納得せざるを得なかった。
嬉しいけど、寂しいかも。なんて。
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(健やかであれと思うけれど、ショックはショックだよこんちきしょう……)
(っていうか松陽、身体的ってなに??俺、精神的には負けてんの???)
(ふっふふーん)
(へたくそな鼻歌で誤魔化すんじゃねえよ!)
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子坂田銀時、食生活改善されたら、グングン身長伸びていきそう。って思いながら書きました。
実は坂田銀時のほうが年上だった説。
満足に食べることができていなかったから、一緒に生活を始めたらグングン伸びたらいいなあと思いながら書きました。
お姉さんしてた夢主は少しだけ、少しだけショックだったかもしれない。でもお姉さんだからすぐ受け止めるんじゃないかな。ショックはショックだけど。
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作者名:きびもち | 作者ホームページ:https://twitter.com/c6h12o6_kbmt
作成日時:2021年5月21日 19時