ep7.翳りは干涸らびて考える 4/7 ページ21
平気?と尋ねると、特に問題なさそうな顔をしていたので、一旦自分に湯をかけるのを見せてから、銀時の身体にも湯をかけてやる。
びくりと体を強張らせたが、なんとかなりそうなので今度は頭から湯をかけるのを見せると、銀時は一瞬怯んでいたが、目を瞑ってくれたのでゆっくりとかける。
そんなことを繰り返すと、どうやらこちらが目の前でしたことを次に自分にしてくるという流れをわかってくれたようで。
暴れたりする様子もない。
一先ず安心してほっとしていると、先ほどまでふわふわ、くるくるしていたやわらかい銀色が水分を吸ってしんなり、いや、ずっしりと重そうになったのを鬱陶しそうに、銀時が犬のようにブルブルと首を振って水分を振り払う。
その隙に石鹸を手ぬぐいで軽く泡立てて、銀時の背中を優しく擦る。
こそばゆそうにしているが、平気そうなので続行して、隅々まで洗った後でそれらを流してやり小綺麗になった銀時に浴槽に入るように促して、自分も同様に身体を洗う。
おっかなびっくり、といった様子の銀時だったが、おとなしく湯に浸かっているのをみて思わず感心する。
とくに騒ぎ立てることもなかったので円滑に進んだ。
顔に湯がかかるのを嫌そうにしている様子は見られたが、まあそれも慣れの問題だろう。
自分の身体も洗い流してから、銀時を湯から上がらさせ、頭から身体を拭いてやり自分がいつも寝間着にしているものを着させる。
ウンウン、すっかりきれいになった。これで大丈夫だろう。
扉を開けて、息を大めに吸う。
「松陽〜〜〜!!!」
と叫んでから、ちょっとしたら待っていましたといわんばかりにやってきた松陽に銀時のことを任せて、自分はようやく入浴に漕ぎつけた。
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作者名:きびもち | 作者ホームページ:https://twitter.com/c6h12o6_kbmt
作成日時:2021年5月21日 19時