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ep1.山中をゆく 1/2 ページ1
ばしゃばしゃと振り続ける雨はもう何日止まないことか。
額と頬に雨水とともに張り付く髪の毛を煩わしく思いながら、小さい影が山中の道を走る。何かから逃げるように。
はやく、はやく遠くに。やつらから遠くに。
「ッはぁ……ハァ……」
ゼーゼーと呼吸はとうに乱れているし、胴の横はずきずきと痛む。
喉の奥なんか、血でも飲んでいるみたいな味がする。
苦しいけど、捕まったらもっともっと苦しい。
景色の変わらない道を前に走り続けるしかないのだ。うまく撒けるだろうか。
後ろを振り向くと先ほどと変わらない距離に追っ手は居た。
けもの道に入り走り続けると、だんだんと視界が悪くなっていく。しめた。霧が出ているようだった。
これで、撒けるかもしれない。
一筋の希望が見え、霧の奥へ、奥へと足を進める。
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作者名:きびもち | 作者ホームページ:https://twitter.com/c6h12o6_kbmt
作成日時:2021年5月21日 19時