7話 ページ9
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違う、違う…違うのに。
「じゃあね、真奈ちゃんとお幸せに。」
なーくんにはその言葉を。
ジェルくんにはお辞儀をして私は
また長い廊下を進んだ。
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J 視点
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「ちょ、なーくんどゆこと?!」
さっきの叫び声に気付いてか、ゾロゾロと集まり出すすとぷりメンバー。
正直、1番近くで聞いてた俺にも
理解ができなかった。ただひたすらに
ぽつんと置かれていたぬいぐるみを
よしよしと撫でていると
「おま、まじ呑気だなwwww」と
それを発見したころちゃんが爆笑していた。
けど、確かに笑っているようではあるが
目元が少し寂しそう。
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「俺達にふさわしいのは、真奈ちゃんだ。」
今まで黙っていたさとみ君が
口を開いた。
「待て、さとみ。俺は納得いかな…」
「あんなAちゃんと一緒にいて
莉犬くんは楽しいの?」
そう言って、莉犬の声を遮って
喋ったのはリーダーであるなーくん。
「…正直、俺もきつい。」
と、次は俺が発した。
これは紛れもなく本音で。ポロッと
口から出てしまった。
Aのことは好きだ。好きだけど…
「俺は、Aを幸せにする方法が
分からへん…無理や…」
腕を組み、静かに見守る最年長と
意志を曲げない真っ直ぐな目をするリーダーに圧倒されてか、まだ少しこういう状況は早かったのか、子供組は皆黙っていた。
高校生の前で堂々とこんな話をする
なーくんやさとみくんに苦笑いを
浮かべながらも、俺も共犯か。と
頭を搔く。Aが何を悩んでいたのかも、何が辛かったのかも聞けぬまま終わるのは。俺は嫌だ…嫌だけど。今、行動しても何も変わらない気がする。初めて見た、あの辛そうな顔。
いつも可愛く愛らしく笑うAの顔では無かった。目の隈も酷く、愛想笑いしかしない。
「…ごめん、ころん達には早かったわ。」
長く続いた沈黙を破ったの、やっぱり
最年長で1番頭の回るさとみ君で。
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「明日、莉犬くんもるぅとくんも学校あるでしょ?ころちゃんは特級だから無いかもしれないけど…もう夜遅いし、この話は俺達で話しとくからもう寝ていいよ。」
と、慰めるように莉犬達を個室へ
帰す。その時、今まで何も発していなかったるぅとが、口を開いた。
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ましかに - 待ってます (2022年6月18日 16時) (レス) @page27 id: b45f3d1284 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 更新待ってます (2020年5月29日 0時) (レス) id: f65192fa99 (このIDを非表示/違反報告)
いぶき(プロフ) - 続き気になります!お話とても好きです! (2020年5月20日 0時) (レス) id: d775cce176 (このIDを非表示/違反報告)
らん@歌い手色の占ツク民達(プロフ) - 続き気になります!!!面白すぎて腹筋割れます(?) (2020年2月10日 18時) (レス) id: d574829136 (このIDを非表示/違反報告)
鮭(プロフ) - 未来さん» わああ、ありがとうございます◎これからも応援して頂けるよう、精一杯頑張らせて頂きます! (2020年1月27日 7時) (レス) id: 8bdf184cc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鮭 | 作成日時:2020年1月15日 6時