嫌われ者なあの子に仕方ないから姫の座、譲りました。 (ページ19)

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16話ページ19

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あの後、私はいつも浅い眠りにしか
付けなかったのにその日は

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その日だけは

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深い眠りにつけた。

夢の中で、白馬の王子様は出てこなかったけれど。私にとっての王子様は青いネクタイに白いスーツを着て、やってきた。

手を差し伸べて、綺麗な笑顔で
くしゃりと微笑み

「お迎えに来たよ、お姫様。」って。

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なんて、はずもなく。

ぐっすり眠りについた私は夢の内容など1ミリも覚えていなくって。カラカラと手元にあるボールペンに昨日のことも日記に書いていた。

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ころん君に、告白された。

けど彼には真奈ちゃんがいるから。

勝手に舞い上がってちゃいけません
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本当に、天邪鬼だと思う。私は…

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「っよし…｣

覚悟を決めて、私はいつも通り

自分で自分のメイクを済ませ、服を選ぶ。

今日は軽い服でいこう。

そう思って、ふわふわのリボンがついた

可愛いドレスのようなものを着た。

髪の毛もくるくる巻いて今日はとっても

綺麗に巻けた気がする。

ふわふわしている自分に笑みが溢れる。

昨日の騒ぎがあってから、私の頭には

いつもころん君がいて…

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コンコン

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ドアから鳴らされた音に私は
慌てて日記や道具を片付け「はーい」と返事をする。そうするとガチャっと音ともにドアが開き、そこに立っていたのは爺やだった。

「A様、ご無沙汰で御座います。」

丁寧に私に向けて深々と頭を下げお辞儀をする爺やに、「面(おもて)を上げて？」と言う。

「では、失礼します…A様に伝達が。今日、真奈お嬢様の正式な即位会を開かれるそうなのですが、A様もご参加願うとのことです…」

「はぁ？！」

その言葉に、私は怒りが募った。

誰だよ、参加しろなんて言ったやつ…

何で元姫がいるの。ってなるでしょ…

絶対修羅場になるって…

と、思いながらも私は今実際すとぷりや執事たちに養ってもらっている側。何やかんやで、あの人達は私に豪華なご飯を用意してくださるし何かと声をかけてくる。なので、私もこれくらいは恩返ししなきゃいけないのかな。なんて＿＿＿＿＿

「参加すると伝えてくれる？」

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